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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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恋=戦争!?-3

3 憲の自慢のチャリの後ろにアタシは乗っている。このチャリはゲイリーフィッシャーとか言う、マウンテンバイクの創始者の会社が作ってるマウンテンバイクで、結構高いらしい。
平地にあるアタシ達の町を憲のチャリは二人を乗せて、スイスイ走ってく。
アタシは憲の肩に手を置き、背中を見ながら、口を開いた。
「なぁ、憲。アタシの事、好きか?」
「……はぁ、いきなりなにを言う出すかと思えば……愚問だぞ」
「だって、アタシは憲に好きって、言ってもらった事ないぞ!!」
「そうだっけ?まぁ、軽々しく言い過ぎるよりマシだろ?こういう言葉がある。『愛とは説明を必要としないものだ』」
あ、愛……。って、聞いたアタシが赤面してどーするんだ!!嬉しいけど嬉しがってるわけにはいかねぇの!!
「でも、一度も言わないのは問題だ!!さぁ言え!!」
「言え、たってなぁ……」
「……やっぱり、アタシみたいのは駄目か?ラブレターで脅迫するみたいな奴は」
「……なにネガティブになってんだよ。そういうお前にぴったりの言葉があるぞ。『恋と戦争においてはあらゆる戦術が許される』」
「………どういう意味だ?」
「あのラブレターも、お前らしくって良いって事さ。だいたい、ネガティブなお前は………俺の好きな矢城白雪じゃない」
…………え?い、今なんて言った?好きだって……言ったよな。
ヤバイ、すっごい嬉しい。涙出そう……。
「……何か、言えよ」
よく見れば、憲の耳が赤い。さては、憲も顔は真っ赤だな。
「……憲、アタシも好きだからな」
「わかってる」
「だから、もっかい言え!!」
「……却下!」
「言わなきゃ、あの写真、学校の掲示板に貼り出すぞ!!『二年の太田憲は女装癖がある』って!!」
「何言いやがる!!あれは、中学の文化祭で無理矢理にだな!……だいたい彼氏に女装癖の噂なんて流れたら、お前だって白い目で見られるぞ!!」
「へん、今更アタシに白い目で見るなんて攻撃、効くもんか!」
「……くそっ、汚いぞ!!」
「『あらゆる戦術が許される』んだろ?さぁ、観念して言え!貼り出すぞ!」
……嘘だよ、憲。アタシだって女の子だ。彼氏に変な噂なんて、着いてほしくなんかないさ。
それに、お前の写真は、今のところこれ一枚。例え女装でも、もったいなくて手放せるかっての。
「さぁ、早く言え!!!」
「………後でな!」
……まぁ、勘弁してやるか。

END


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