こたつとみかん-2
翼:「とりあえず動機とかの事件の詳細は省く。Aさんの家に、BさんとCさんとDさんがパーティーをしに来た。Aさんは三人をこたつの部屋に招待した。このとき、Cさんだけは居間でパーティーしたいとごねた。これ重要ね」
美春:「うんうん、それで?」
翼:「でもまあ、なんとかCさんを説得して、四人はこたつの部屋に行った。そしてAさんは、ちょっとコンビニ行ってくる、部屋にあるものは好きに飲み食いしてくれ、って言って家を出たんだ」
玲奈:「待って、待って。メモするから待って」
翼:「これくらい聞いて覚えろ。……で、続きな。その部屋には、パーティーの準備でお菓子やらお酒やらが用意されていた。で、Cさんはその部屋にあったミカンを食べたんだ。その瞬間、Cさんは血を吐いて倒れた」
美春:「ひゃあ、毒殺?」
翼 :「毒殺。ついでに毒が仕込まれていたのは間違いなくそのミカンで、Cさんの指とかあらかじめ飲まされたカプセルの毒とかじゃない」
雄一郎:「犯人はAさん?」
翼:「そう、Aさん。ただし、これはCさんだけを狙った殺人だったんだ。だから絶対にBさんやDさんが死なないようになっていた。二人がミカンが嫌いだったわけじゃない。むしろ三人とも、ミカンがあったら真っ先に手を伸ばすほど大好きだった。ちなみにそのミカンに『Bさんのためのミカン』とか書いてあっただとか、そういうのじゃないから」
雄一郎:「どうやって、Cさんだけを狙い撃ちできたのかってことか」
翼:「そゆこと。以上。……ミカン一個貰うよ」
玲奈:「ふーん。で、答えは?」
翼:「ジュースと交換したのはプロットだけだ」
玲奈:「へ?」
翼:「答えを教えてほしければ、ハンバーガーと交換」
玲奈:「ちょ、なにそれー!」
雄一郎:「安心しろ、玲奈。俺が解いてやる」
玲奈:「さすが! 雄ちゃん優しー!」
雄一郎:「俺はラーメンでいいぞ」
玲奈:「ちょ! 高いってそれ!」
翼:「へー。雄一郎が解くって? このワタクシのミステリーをですか?」
雄一郎:「解いてやろうじゃん」
美春:「あれあれー? 雄一郎クンはまだわかってない感じー?」
玲奈:「え!?」
雄一郎:「美春、もう解けたん!?」
美春:「もっちろーん」
翼:「ちっ。また美春に解かれたよ」