逃げ出しタイッ!?-16
「いいじゃん、つか減るもんじゃないし」
後退するも逃げ場などない。もうそろそろ本気で抵抗すべきなのだが、なぜか足がすくんで動いてくれない。
「それに、満足させてくれんだろ? お前にへたくそなフェラされるよりもさ、生でマンコさせてもらったほうがぜってー気持ちよさそうだし、な?」
まるで消しゴムでも借りるような言い草に腹が立つも、絶対的な有利は悟にある。
もしここで拒んだところで待つのは新たな脅迫か、羞恥の記録を暴かれること。
ムービーには昇と自分が映っているのであって、悟はただの出歯亀に過ぎず、恥を書くのは……。
「やべ、その表情たまんねーわ。犯されるくせに、どっか期待してんだろ? つか、ほんとはやりたいんだよな、この淫乱マネージャー……」
正面にかがみこむ悟はそのままショーツに手を伸ばし、力強く引っ張る。
「や、お願い、やめて。私処女なんだよ? 初めては好きな人と……、そうだ、いいこと考えた、私が処女を捨てたらやらせてあげる。ね、それなら平気だから、お願い、やめてよ」
初めては好きな人に愛されながら。
クラスの女子の八割以上が賛同してくれる条項だが、男子にとってはどうなのだろうか? 彼らも好きな人に童貞をささげたいのか、それとも、その場の雰囲気にのまれて経験をしたいのだろうか?
もっとも、悟がそんなセンチメンタルな気持ちの持ち主には見えない。
「初めてってのは痛いんだろ?」
「うん、多分、だから、ね、お願い」
「ならさ、好きな奴とは痛くなくならないようにしたほうが得じゃね?」
ショーツを掴む手に力が入る。拒む手は、乱暴に胸をもまれた瞬間、力が抜けてすがる程度になる。
「雅美のマンコ、うわ、すっげえ濃いわ〜」
めくられ、脱がされ、暴かれる。
水泳の授業で思ったことだが、確かに陰毛が他の女子に比べて濃い。
ためしに剃ってみたが、ちくちくするのと、もとが剛毛ならしく、意味がなかったのは、夏の切ない思い出。
「いや、見ないで、見ないで」
父にも見せたことのない女の密林を見られた。本当なら好きな人に誘われ、焦られ、じっくりと、ゆっくりと探検してもらいたかった箇所だが、今回の冒険者は脅迫という地図を片手に乱暴に進入してくる。
「あ、いや、急に入れられたら!!」
触る、見るというワンクッションなしに強引に指が忍び寄る。
一本、続いて二本目。生理は常にナプキンで処理している彼女にとって、膣は未知の領域。オナニーのときも皮に隠れたクリトリスをいじり、陰唇の類を触る程度で満足している彼女にはきついこと。
「へぇ、こうなってんだ、女って……」
感慨深そうに指を動かす悟はおそらく童貞なのだろう。
彼にとって初の体験となる女の中は狭く、暖かく、ぬるりと滑り、さらに奥へと誘っているようにもみえた。