『いつもの場所』-2
別に、この少女が何処に住み、何という名前で、何歳だろうが知ったことでは無いし、この少女に付き纏う気もサラサラ無い。
何故なら、この様な少女は幾等でも居るのだから…ただ、事の後で騒ぎを起こさせない為の布石にすぎない。
少女のブーツに手を伸ばす、静まり返った部屋にジッパーを下ろす音が響き渡る…着ている服を乱暴に扱っては、いけない…出掛けてくる時と、違う服装で帰るのは不自然な事である…
今から体験しようとしている事は、少女の心の中だけに留めなければならない事だから…
滅茶苦茶に服を切り裂きたいと言う衝動を押さえながら…横たわる少女の尻の下に、そっと手を忍ばせグレーのスカートのジッパーを下ろす…
黒いストッキングに覆われた、レースの縁取りのあるパンティーが、セーターの裾から顔を覗かせる…
「ゴクッ……」
思わず生唾を飲み込んでしまう…慎重に、慎重に…スカートが尻の膨らみを通りすぎると、鼠色の布はスルリと少女から剥がれ落ちた…
ジージャンに手を伸ばすと、少女は眉間に皺を寄せ頭を二、三度横に振った…
マズイ…少女が意識を取り戻してしまう…
嫌な予感が的中してしまった。唸り声を上げながら、痛みが残っているであろうミゾオチに手を充て、少女の目が静かに開いた…朦朧とした意識が、恐怖に変わるまで、さほど時間は掛らなかった…
未だベットに横たわっている少女のストッキングとパンティーを、強引に剥ぎ取ると、甲高い悲鳴が、閑散とした部屋のに響き渡った…
脅えた目で、俺を見つめている…膝を閉じ、露になった下半身を毛布で必死に隠している…
その不要な布キレを奪い取り、無言でカメラを手にした俺は、少女に向け何度もシャッターを切った…
肘を立て、上半身を起こした少女は、ジリジリと後退りをするが、高々シングルベットの上である…すぐに壁際に追い詰められ、少女の逃げ場は無くなっていた。
もう一度、部屋に悲鳴が響いたのは、俺が少女に覆い被さった時だった…手で口を塞ぎ、耳元で囁いた…