白銀のたまご〜パチプロチーコの生活5-6
あの時はお金がなくて、家賃を稼ぎ出すのがやっとだった。
シゲルはいつも財布の半分を私に貸してくれて、私はそれを元手に毎日の生活費を稼いで…
そして、家賃と光熱費を折半すれば…で、ここに転がり込んだ。
その代わりと言ってはおかしいけど、シゲルとセックスするのも、別にイヤじゃなかった。
それは今も同じだけど、私は自由の身なんだ。
シゲルは私にきっと惚れ込んでいるに違いない…
とにかく私は洗濯をして、掃除をして…
美容院に行きたいと思ったけど、どんな髪型にしていいか本当に分からなかったから止めた。
ついでに買い物に行って、腕を振るって夕食を作ってシゲルの帰りを待てば…
そんな事は絶対にしない。
する事がない…
今日から私は何もする事がない。
だからといって、またシゲルのオモチャで遊んでみようかって気も起こらない。
私は本当にパチンコを辞めてしまえるのだろうか?
あの台さえあれば、いくらでも稼ぐ事ができたのに…
私の今までの生活って何だったの?
ホールの都合だけでこんなに簡単に何もかも奪われていいものだろうか?
また違う機種に投資して、ロムの慣性を見抜いて…
今さら面倒くさくてできないわよ、そんな事。
今の私はパチプロの仕事さえ億劫になってしまってるし…
それに、ホールの都合というより私の都合で勝手にホールを食い物にしていただけなのよね。
このままホールに行かなければ、長年私を苦しめ続けてきたパチンコが辞めれるような気がする。
ただ、パチンコを辞めてしまったパチプロの私はどうやって生きていけばいいんだろう?…