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白銀のたまご〜パチプロチーコの生活
【その他 官能小説】

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白銀のたまご〜パチプロチーコの生活5-10

このソファには三人の私がいる。


お金がなくて行くところもなかった私。

お金はあるけど不確かな勝負はしない、プロの私。

それから…

お金も持ってるけど、打てなくなってしまった私がいた。


煮え切らない私は私ひとりだけ…



そこで騒ぎが起こったのよ。

若い男がこっちに向かって必死で走ってくるのが見えた。

後から怖そうな背広姿の男が二人追ってくる。


逃げる男…
私の前に風を切ってエスカレーターを逆に駆け降りた。

まもなく何か叫んで、バタバタと揉み合う音がした。


恐る恐るエスカレーターを覗き込むと追いかけてきた男2人と下から挟み討ちにされたのだろう、もう一人の男に取り抑えられて、逃げた男がエスカレーターを上がってきた。


観念したのかおとなしくなっていて、前に組まれた腕に手錠をされているのが見えた。



ヤジウマがたかってきて、最後に向こうからガッチリした男に腕をつかまれたサワちゃんが歩いてきた。


美容師のサワちゃん…
ヒゲも髪も伸びっ放しで、この前よりやつれた様子で手には同じく手錠をかけられ、おとなしく静々と歩いてきた。


[ サワちゃん… ]

サワちゃんは無言で私を見たけど、その瞳はゴメンと呟いていた。


何があったんだろう?
サワちゃんどうしちゃったんだろう?


テネシーの店長と班長が出てきて、警察のひとりと何か話しながら一緒に降りて行った。


ヤジウマの誰かが麻薬だってよ…覚せい剤だって

そう言ってたのが聞こえた。


このホールの中で麻薬のやりとりがされてて…
それにサワちゃんが関わっていたの?


私にサワちゃんを助けてあげなきゃいけない理由はなかったけど、私に何ができたのかを考えた。


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