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改:愛・地獄変 〜地獄への招待〜
【鬼畜 官能小説】

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改:愛・地獄変 〜地獄への招待〜-2

(地獄)

 これは、夢でございます。
 針のような鼻毛を抜きながら、しゃれこうべの積み上げられた椅子に、閻魔大王が腰をかけているのでございます。そしてその横には、勿論赤鬼・青鬼とが立っております。何しろ薄暗い洞窟の中のことでございます。ろうそくが一本だけなのでございます。が、そのろうそくにしましても目が慣れてくるに従いまして、・・・いかにも赤いのでございます。そして、燭台の色が黒みがかった紺色に見えてくるのでございます。  
 
更に目をこらしますと、あろうことか蛇になっているのでございます。そして、炎が、真っ赤な炎だと思っていたものが、実は蛇の舌だったのでございます。私はたまらず、天井に目を移しました。と、コウモリとも猿とも似つかぬ獣が、口を真っ赤に濡らし、又異妖な純白色の牙を覗かせているのでございます。そしてその獣の目といえば、爛々と輝き今にも飛びかかってきそうにも思えるのでございます。
 背には赤黒い羽根をたたみ、同じく赤黒い尾を、岩の裂け目に突っ込んでいるのでございます。一匹ではございません。数知れなくでございます。薄暗い筈の洞窟で、それ程にくわしく見えるはずが無いと、おっしゃられますか?・・・と申されましても、確かに見えた━いえ感じたのでございます。

 足下に目をやりますと、何やら蠢いているのでごさいます。トカゲのようなゴキブリのような、そんな気味の悪いものが私の足指の間やら、手指の間やらをはいずり回っております。私の体を這っているのでございます。ナメクジのような、ウジ虫のような、・・・うわあぁぁ!お腹といわず、胸といわず、股間もでございました。お待ちください・・それだけではないのでrす。実は、口の中からも出てくるのでございます。湧き出てくるのでございます。
 あ、あろうことか・・。あ、ありえません。わたくしめの顔を持った、野糞にたかる銀蝿が、口と言わず鼻と言わず、耳からも飛び出すのでございます。あぁ、申し訳ありません。もうこれ以上のことは、私には申し上げられません。・・・・・。

 失礼致しました。ここでやめては、何のことかおわかりにならないでしょう。気を取り直して、お話を続けさせていただきます。まだまだ夢は続くのでございます。
 真っ赤な血の川を渡っているはずの私の小舟が、突然に現れる裂け目の中に真っ逆さまに落ちていきます。岩を伝って逃げようとしますとその岩が急に砕け、私の手が挟まれてしまいます。今までに味わったことのない痛みに、危うく失神するところでございました。万力に挟まれた手の骨が、ミシミシと音を立てております。五倍十倍の太さに腫れ上がった指から、今にも血が飛び散りそうでございます。

 と、いつ持っていたのか、もう片方の手に斧があるのでございます。そして恐ろしいことに私の意志に反し、その斧で岩に挟まれた手を切っていたのでございます。どっとあふれ出る私の血に、私自身が押し流されます。必死に、その血の海を泳いでおります。ところが、すぐ近くに見える岸辺が、泳げば泳ぐほど遠くなっていくのでございます。もう、気も狂わんばかりでございます。あぁもう、そのまま気絶した方が良かったと思えるほどでございます。おわかりいただけますでしょうか?この恐ろしさというものが。

 兎にも角にも、こういった夢を毎晩見るのでございます。昨夜は眠るまいと致したのでございますが、いつの間にか徒労に終わりウトウトとしております。それどころか、それら全てが夢のようにも思えるのでございます。もしかして、今この時の告白も、夢?なのかもしれません。


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