僕とあたしの海辺の事件慕 第二話「不可解な出来事、しばし」-24
「ん、んくぅ……あ、あぁ……ああ……」
唇の端を噛み、体内で暴れる何かに必死に抗おうとする紗江。真琴のシャツに爪をたて、震える指先は「の」を描くように蠢く。
「は、はぁ、さ、紗江さん?」
このままでは窒息してしまうと真琴は彼女の下でモゾモゾと動く。
「あ、だめぇええええええぇぇ……」
鼻の頭が彼女の秘裂を掠ったとき、紗江は大きくバランスを崩し、真琴の下半身に突っ伏す。
「あ、だめぇ、いく、いく……いっひゃったぁ……」
小刻みに震える紗江の膣奥からとろりとした汁が零れ、鼻を伝って唇に滴る。
「紗江さんの……いったんだ……」
恍惚に肩を震わす紗江を見ていると、自尊心が擽られる。
一人の女性を舌と指だけで幸せにしてあげた。
そんな自己満足。
そして下半身に疼く欲求不満。
「紗江さんばっかりずるい……」
真琴は彼女をどかし、パーカーと自分の着ていたシャツをシーツ代わりに岩場に敷く。
「イヤ、わたひ、まだ……からだ……ビクンって……」
怖気づく紗江の腕を引き寄せ、自らは胡坐をかいてその上に座らせる。
「お願い、真琴君……少しまってよ……ね、してあげるから……約束するから……」
「ダメだよ。僕、今したいんだから……」
腰に手を回し、紗江の秘裂を亀頭に近づける真琴。
「エッチ、馬鹿、変態……」
まだ快感の煽りが抜けていないのか、紗江はじたばたと暴れ、彼の薄い胸板を押しのけるように手を伸ばす。
「紗江さんが誘ったんだよ……」
「そんなこといったって、私、今されたら……壊れちゃう……かも……」
ふっくらとした乳房の前でモジモジと手を絡める彼女。表情こそ暗がりで見えないが、乳首はプックリと立っており、指で抓むと「んぅ」と嬉しそうな呻きが上がる。
「でも、しちゃうよ……紗江さんのこと壊しちゃうかもね……」
亀頭を捲れた陰唇に押し付け、ぐいぐいとねじ込む。
「ん、あ、だ、め、そんな、されちゃ……澪、ちゃん……に、言う……あん!」
二度目の脅迫は女性に嫉妬されるぐらい赤い唇に遮られる。
上下の口を封じられた紗江は苦しそうに、嬉しそうに鼻息を荒げる。
「んー、んぅー……」
キスから逃れようにもしがみ付くような弱い手に遮られる。甘えるような真琴の手と切なそうな悲しい瞳に見つめられると、紗江の中の母性が刺激されるのか、胸にくるキュンとした気持ちに動けなくなる。
「ん、ちゅ、紗江さん……」
そして消え入りそうな声。
全てが演出にしか見えない彼の仕草にも関わらず、いつの間にか紗江は自ら腰を乗り出していた。