僕とあたしの海辺の事件慕 第二話「不可解な出来事、しばし」-23
「痛くさせるの……やです」
「ふふーん、優しいのね。真琴君」
やや背の高い彼女は真琴のオデコに軽くキスをする。真琴が唇で応じようとすると、彼女は不意をつき、無防備な彼をドンと突き倒す。
「紗江さん?」
ゴツゴツした岩場に尻餅をつく真琴。立ち上がろうとすると、紗江は間髪入れずにそれを制し、彼の腰の辺りに馬乗りになる。
「君は分からないでしょうけどね、乱暴に求められるのが好きな人もいるのよ。私みたいにさ……だから、ね……」
ズボンを脱がせようとする紗江だが海水を含んだ紐は結び目が堅くなっており、思うように上手くいかない。しかたなしにチャックを下ろし、その戒めから解放してあげる。
「君の、溢れてるじゃない……綺麗にしてあげないと……」
紗江は分不相応な逸物をいとおしそうに眺めたあと、猫がミルクでも舐めるかのようにちろちろと節くれだったサオを舐める。
「あ、ああ……」
下半身に血が集まる。海綿体は平常時の数倍に肥大し、ビキビキと痛みを感じるほど。けれど彼女の口淫から与えられるかすかな刺激。それを余すと来なく受け、増幅させてしまう。
「紗江さん……さえさんのフェラチオ……上手……」
「んふふ、任せてよ、フェラチオはメイドの必須スキルなんだから……」
歪んだメイド観を披露されても世のメイドがたに悪い。けれど女性に奉仕してもらって嬉しくないはずも無いとこの際理性を投げ捨てる真琴。それどころか、さらに欲したくなる気持ちがあった。
「ねえ紗江さん。僕にもさせてよ……ね? お願い……」
真琴は彼女の乳首に指を伸ばしながら、甘えるような子犬の視線を向ける。
「もう、エッチなご主人様……」
彼女はそれに応えようと、また自らの欲情を満たそうと真琴顔面に騎乗した……。
雫一つ、潮味。
真琴は女性を海に例える理由が分かった気がした。
「紗江さんの、美味しい……」
塩気とニガリ、若干の甘みと大量の興奮作用。そんな彼女の愛液を啜っている。
紗江は体質的に濡れにくいのか溢れることがなく、舌と指を膣奥へと差し込むことでようやくその蜜にありつける。
「あああん、真琴さん、そんなにほじらないでぇ……」
イジラレルことには弱いらしく、手も口もおろそかになる紗江。彼女は快感から逃れるように腰を振るも、彼の顔に秘部をこすりつけることになり、逆に刺激を強める。
「んじゅぷ、はぁ、くむん……ちゃぷ、ちゅるるっ……!」
「あ……っ!」
紗江の身体が真琴の顔面でビクリと跳ね上がる。彼はムチムチとした尻肉に押し潰されそうになりながらも、どこか幸せを感じている。