僕とあたしの海辺の事件慕 第二話「不可解な出来事、しばし」-22
「ふーん……そ」
紗江はつまらなそうにそれを受け取るも、まだ何か考えがあるらしく、真琴の腕に絡みつき、上目遣いを送る。
「このまま帰るつもりなら……私、澪ちゃんに『真琴君にレイプされそうになっ
た』って言っちゃうかも」
「な、何言ってんですか?」
「こんないい女が裸で誘ってんだよ? それ断るなんてレイプもいいとこだよ」
腰と頭に手をあて、スニーカーのかかとを上げてのグラビアポーズ。澄ました顔をしているが逆光で見えず、人並みよりややボリュームがある程度の彼女がしても、それほどそそるものでもない。もちろん、裸であることは別だが。
「はあ?」
据え膳食わぬは武士の恥。しかし、据え膳のほうから辱められたと言われるとは思ってもみなかった。
「私泣きまね得意だからね。涙ぐんでさ、澪ちゃんにオッパイ揉まれて、裸見られ
たって言ったら……」
「そんなの……脅迫じゃないですか」
絡められた腕を解く真琴。
「ね、寒いよ……」
「そんな格好してるから……」
小刻みに震える彼女の背中に手を回し、さすってあげる。
「真琴君って優しいね……」
背中に感じる手の暖かさ、イヤラシさに紗江は背筋を仰け反らせ、彼の腕に寄りかかる。
オッパイが上向き、しぶきで濡れた身体がつきの光りに映し出される。
「触ってもいいんだよ」
挑発するような笑いを浮かべ、潤んだ瞳で真琴を見つめる。泣きまねが得意と言うだけあってその瞳に溜まる涙はきっとただのしょっぱい水。けれど、胸に訪れる針で刺すような痛み。
「紗江さん……」
背中に回した両手でぎゅっと彼女を抱きしめる。Dカップはあると思われる胸に顔を埋め、谷底にキスをする。
「ショッパイ……」
「海の味じゃない? なんてね……」
プリンの弾力のする乳房に唇をつけ、股間でいきり立つものを彼女の太腿にこすりつける。
「ん、やだ、あたってる」
水に濡れた短パン越しにもその形が分かるほど勃起したそれに、紗江は笑いながら触れる。
「ん? あ、あれ? 君の……へぇ……こんなに……」
値踏みするように「フンフン」と頷く紗江は鼻息を弾ませながらしなだりかかってくる。
「ねえ、しちゃおうよ、待ってられないよ……」
「でも、まだ……」
中指が触れる彼女のアソコは海水で濡れているだけ。愛欲に駆られた淫靡な汁は出ていない。
「私、濡れにくいから……、だから真琴君ので満たしちゃってよ、余るほどでてるじゃない?」
人差し指が絡むと、粘り強い糸が伸びる。その間も尿道にじくじくとしたこそばゆさが訪れ、これから始まる行為への期待の強さが伺える。