僕とあたしの海辺の事件慕 第一話 「思い出のペンションは元病院」-19
「だ、だめだめ……あんあんあん、やだぁ、真琴のばか、汚いってばぁ……」
膝にも腰にも背筋にも力が入らなくなった澪は、そのままタイルの上にへたり込み、出しっぱなしのシャワーが雨のように降り注ぐ。
「ひぅ、ひぅうう……まころぉ……」
寝そべる格好の澪をそれでも放そうとしない彼だが、小水が止まると同時に手を止める。
「澪、潮吹いたの?」
アダルトビデオのようなことを言う真琴は得意げだったが、真相を知る澪にしてみれば癇に障ってしょうがない。
「馬鹿、オシッコだってば……」
「え、そうだったの?」
てっきり自分のテクニックがと酔いしれていた彼は驚いたように右手を見つめ……、
「ちょっと、何考えてるの?」
弛緩の解けた右手でシャワーを拾い、真琴の顔面に浴びせかかる。
「うわっと……冷たいよ、澪」
コックを捻る真琴はぺぺっと水をだし、額を拭う。
「アンタが馬鹿なことしようとするからでしょ?」
「だって、澪のおし……」
「それ以上言ったら殺すわよ?」
「ゴメン」
もしかしたら変な趣味に目覚めさせてしまったのかもと悩む澪だが、真琴はつき物が落ちたようにシャワーで粗相の痕を洗い流してくれる。
「今日、怖くてトイレ行ってなかったの。だから……なの」
「大丈夫。僕が守ってあげるから……」
健気な幼馴染が優しく彼女を抱きしめる。けれど、トランクスの前はすでにパンパンで、丁度澪の目の前に出たとき、ボタンが外れて体格に不釣合いな逸物が顔を出す。
「ふぁあむ」
「うっ……、澪?」
「おはえひ、あらひばっかひはぶかひいのいあらもん……まこともひろいおひっこもらひちゃえばひいのよ……」
口をもごもごさせながら喋るせいで何をいっているのかわからない。けれど、目的とすることは明確に動作に現れており、つまり攻守逆転……。
「ふわぁ、澪、僕、駄目だよ、最近、あんまり、澪がしてくれないから……すごく、それに、まだ、洗ってない……し」
捲れあがった凶暴な陰茎を愛おしく嘗め回す澪。無数のミライが歪に浮き出た血管を這いずり回り、雁首をつつーと撫でてはぴりりとした快感が生まれる。
「真琴だって、あたしのおし……そういうの出ても止めてくれなかったじゃない。お相子よ……あぁむ、ちゅ、れろ……ちゅぷちゃぷ……」
今度は真琴が追い詰められる番。彼は壁に背中をつけ、蛇口に手をつっぱり、股間から生まれ出る快感に耐える。
「澪、澪の……」
「真琴のここ……んふ、ショッパイ……し、ん、苦い……どうして?」
「だって、海……」
「そっか、そだね……」
韻嚢を揉み解すと真琴の口から「はわわ」と情け無い声が漏れる。