永遠の誓い-3
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実は数日前…由里子の留守中に、俺は響子の元を訪れていた。
そして、あの事件以来、俺と由里子の間に起きた出来事を、包み隠さず響子に打ち明けたのだ。
あの事件後…俺はショックからなかなか立ち直ることが出来ずに、自暴自棄になっていたこと。
その為に…由里子と神木の仲を疑い、その挙げ句、由里子と仲たがいをしてしまったこと。
そして…由里子の身代わりにみなみに溺れ、結果彼女を死に追いやってしまったこと。
かつて俺が彼女にそうしたように、響子はただ黙って、俺の話を聞いてくれた。
そして、由里子とそっくりな漆黒の瞳を俺に向けこう言った。
「私達には…って言うのは、つまり私と由里子には…って言う意味だけど、あなたのような人が、必要なんじゃないか?って思うのよ」
『俺が…ですか?』
「そう。あなたのように、自分の間違いを認め、それでも先に進んでいく強さを持った人が… 人は誰だって間違いを犯すわ。でも、その間違いを、生きる力に変えていける人は、残念ながらそうはいない。…それは、あなたのように強い心を持った人にしか出来ないことだから―――」
『響子さん―――俺はお世辞にも、器用な人間とは言えないし、この先だって由里子を泣かせてしまうことがあるかもしれない… それでも俺には由里子が必要で、これ以上由里子と離れていることは、正直…俺には耐えられないと言うか―――』
「それは…つまり、由里子をお嫁さんに欲しいってことかしら?」
『はい…』
「それなら、先生の口から、由里子に直接話してあげなさいな。由里子、あなたのこと待ってるはずよ!」
『響子さんは―――俺と由里子の結婚を…認めてくれるんですか?』
「私の気持ちはさっき言った通り… 佐々先生…あなたにだったら由里子を安心して託せるし、私の息子としても喜んで歓迎するわ!」
俺は、黙って深々と響子に頭を下げた。
そして、テーブルの下で小さくガッツポーズをした…