永遠の誓い-2
2つ目は、エンゲージリング…
普段から気軽に付けていて貰えるように、細目のプラチナ台に、ピンクダイヤが直接埋め込まれたシンプルなものを選んだ。
―――そう…今から俺は由里子にプロポーズをしに行くのだ!!
根っから現実的な俺は、ロマンティックなこととは程遠い人間だ。
それでも、由里子との結婚を意識したこの1ヵ月間は、由里子を喜ばせたい一心で、恥ずかしながらあちらこちらへと奔走した。
『ふうぅ…いよいよか…』
普段の生活では味わうことのない種類の緊張感に見舞われた俺は、軽く武者震いをした。
―――ピンポーン!!
インターホンを鳴らすと、母親の響子がドアを開け、俺を家の中へと迎え入れてくれた。
「先生いらっしゃい…あらっ、スーツ姿もよくお似合いよ!由里子の未来の旦那さまが、こんなに素敵な人だなんて。私も鼻が高いわ!」
響子は上機嫌にそう言うと、由里子が待つリビングへと俺を連れていった。