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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 最終話「告白しタイッ!?」-24

「まったく! どこいったんだよ、稔も優も! 先輩も紀夫も!」
「ホント、迷子の放送でもしてもらおうかしら」

 ――綾? それに美奈子先輩。

 人並みに阻まれたところから聞こえる同級生の声に思わず立ち上がる里美。今からでも遅くない。偶然を装って会って、そのあとゴメンとでも言えばそれなりにお祭りを楽しめるはず。

「あ……」

「でもなんで先輩まで紀夫に手を出すんです? 先輩、マネージャー嫌いじゃないで
したっけ?」
「まあ、そうだったけどね。ほら、やっぱり私だって人並みに恋愛とかしてみたいし、都合のいい男なんて彼ぐらいだったからとか?」
「他にだっていません? まあ、都合がいいってのは同意しますけど」
「それに、やっぱ相性って大事だしね」
「それってもしかして?」
「ふふ、みなまでいわせるな。おぬしもエロよのぉ」
「まったく、先輩まで……、あいつどんだけヤリチンなんだよ」

 ――先輩まで? ヤリチン? 誰が? 紀夫が? 嘘、だって、そんなに、アイツ、格好いいわけないし、一緒にいたら落ち着くけど、それは私ぐらいじゃないの?

 頭の中がぐるぐる回りだすのを感じる里美。

 人の波をかき分け、二人のすぐそばに寄る。
 ここ最近、夏休みに入ってからだが、綾と仲が良いことは知っている。ただ、美奈子とまで良い雰囲気になっているのは初耳だ。少なくとも合宿前までは快く思っていないように見えたのだし。
 綾と美奈子は歩きつかれたのか、はたまた着慣れない浴衣のせいか石段に座り話始める。

「なんていうかさ、相性がいいのよ。だってマネージャー君、私とするとすごくよさそうだったし」
「はぁ? マジですか? ったくあのバカ、ホントオンナと見れば見境ないですね」
「そうかもね。いわゆる英雄、色を好むって奴?」
「紀夫が英雄なわけないじゃないですか」
「それもそうね」
「で? いったいいつオンナにされたんです?」

 下卑た笑いを浮かべて美奈子の顔を覗き込む綾。

「されたって、まあそうだけどさ、もう少し言葉を選びなよ。……んとね、合宿の時、彼来たじゃない?」
「はいはい、それで?」
「その夜、とっちめてやろうと思ってさ。だって、陸上部の女子を食い物にするよう
な奴だもの。当然でしょ?」

 憤り鼻息を荒げる美奈子に綾は済ました顔。

「だけど、夜の密室で二人きりっていうのがね。なんか変な気持ちになったし、それに、綾もしてたじゃない? だから、私、なんかすごく焦っちゃってさ、綾に追いつ
きたくなったの」
「なんで人のせいにするんですか。先輩、ただ溜まってただけでしょ?」
「かもね。私も女の子だけど、人間だもん」

 屋台の裏に隠れてこっそりと聞き耳を立てる里美の姿は異常だが、道行く人はそれに気を止める様子も無い。

「でも、綾みたいにはしたなくは無いわよ」
「え? もしかして先輩」
「うん。ばっちりみてました!」

 笑顔で言う美奈子と対照的に苦笑いをする綾。そして暗くなる里美。


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