想い溢れて-7
『入れよ…』
「いいの?」
私の声…涙のせいでくぐもってた。
『―――心配して見舞いに来てくれた、自分のスキな子を、追い帰す訳にはいかないから…』
そう言った先生の声が、久しぶりに聞いた優しい声だったから、私はホッ…と胸を撫で下ろした。
先生は私を部屋に入れると、玄関先の床に、持っていたコンビニ袋をドサッと落とし、突然私を抱きしめてきた。
『由里子…神木は?』
一瞬…怖いほど冷静な声で先生がそう聞いた。
「別れたの―――私達…」
『そう―――・・・』
私を抱いたままの先生からは、いくら待ってもその先の言葉が返ってこない。
「せ…先生?…んっ?」
あの日教室で起きたこと
―9ヵ月の軌跡― Q
「想い溢れて」―完―