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【気まぐれ彼女と気弱な僕と】
【調教 官能小説】

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【気まぐれ彼女と気弱な僕と】-10

『んぢゃありがと、ごちそうさま。帰るね』

カレーを食べた後何事もなかったように身支度をはじめた彼女がそう言う

(え?帰っちゃうの?ウソ‥)

ものすごく寂しくて胸がザワザワする。たった2日しか一緒にいなかったのにものすごい喪失感だ

苦手なジェットコースターで一番高いとこから落ちる前くらい嫌な感覚。落ちた後とか途中じゃなくて落ちる前だから、手が汗でベタベタで呼吸がままならない。

(‥‥あー。何?!何なんだ。これ。‥なんで今ここでそんな感覚味わわなきゃいけないんだ?)

比奈子に会ってから感情があっちこっち行ったりきたりで気忙しない

『‥‥かえるの?』

が、努めて冷静な声を出した。少し声が震えていたかもしれない

『うん、こんな時間だし』

比奈子が帰らなきゃいけないとかそういう考えがすっぽり抜け落ちてたから慌てる。もう会えないかもしれない

そう思うと切なくなって いてもたってもいられなくなる

慌てているのに冷静で冷静でいるのに慌てている

上手い言葉が見つからなくて 玄関先の比奈子を思わず抱きしめた

甘い女の子らしいフルーティな香水の匂いと柔らかい感触

『何?』

『あ‥ぁの‥さ』

今までで一番勇気を出したかもしれない。

『そういうのやめて、恋人じゃないんだし。』

『‥でもっ!』

少し大きな声を出し、腕の力を強めると冷たく睨まれた

『‥痛い、警察よぶよ』

(なんで?なんで?!)

さっきがジェットコースターの落ちる前なら今が落ちた後。ひたすら胸が痛くて、【嫌われたんだ】って思うと怖くて泣きたくて絶望的だ

『ご‥‥ごめん!』

(何をやってるんだろう、引き止めちゃいけなかったのに、好かれてなんかいなかったのに‥)

慌てて離れるが段差でつまづきへたり込んでしまう。もうどうしていいか解らない。見納めに見上げると逆に抱き寄せられた。


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