揺れる想い-5
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クリスマスまで差し迫ったある日のこと―――
『由里子、佑介とのクリスマスはどうするの?』
お昼休みの時間、私とちなみはクリスマスの話題で盛り上がっていた。
私達は校内のパン屋さんで買った、1日20個限定の、焼きたてグラタンコロッケパンを頬張りながら、いつものおしゃべりに花を咲かせていた。
「せっかくだから、土日両方使って、佑介んちの館山の別荘に行こう!って誘われてる」
『え――っ、いいなぁ!なんか、最近の由里子達、急檄にラブラブだよね!お泊りするってことは、お互いの親も公認な訳でしょ?』
「うん。まぁね…」
『由里子達がうらやましいよぉ… 私と啓太なんか、最近倦怠期突入って感じでさ…クリスマスも3回目になると、なんか新鮮味が感じられないんだよね〜』
「そーかなぁ?ちなみと啓太見てると、いつも仲よさそうに見えるよ!安心して見てられるって言うかさ…」
『ホント?由里子にそう言われると嬉しいけどね!』
その時だった―――
『佐伯居るか?』
突然、開いたままになっていた教室のドアから、佐々先生に名前を呼ばれた!
「あっ、はい!」
『―――昼休み中悪いんだけど、ちょっといいか?』
私はイスからスクッと立ち上がると、ちなみに声を掛けた。