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富子艶聞
【歴史物 官能小説】

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富子艶聞-10

「 なるほど・・・若さと情熱ならば主上に理がありというわけか・・・。
・・・さて、明日の晩なのだが 」



「・・・・・」



「 親子揃ってこちらに通う。これはいかがか?富子殿も十分楽しめるであろう」
その言葉を聞いて 富子の目が細くなり口許の笑みがまるで大輪の花が咲き誇ったかのように大きくなる。


「 それは、是非にも・・・やんごとなきお二人より揃って“お情け"をいただけるなど ほんに名誉なこと、嬉しいことでございますから 」


「 では そのようにいたそうぞ。楽しみなことだ 」





「・・・ですが、今宵はこれで終わりではございませんでしょう?」


「 ん? 」


「主上より先に来られ、長らくお待たせいたしたのです。今から我が身をもって埋め合わせしたいのですが、いかがでしょうか?

私自身も是非主上とはまた違った、上皇様の力強さを味わいとうございます・・・・」




そういうと、艶然たる誘いを身体で示すかのように富子の足がゆっくりと開いていく。

上皇の真正面で白襦袢の裾がはだけ、その奥にある花園―――先程まで帝の肉棒を飲み込んでいたあの花園がうっすらと浮かびあがってきた。

元より手ぶらで帰るつもりのなかった上皇の目から見てもはっきりと分かるくらいに
そこは既に潤っていた――――





―――性格の不一致、と言うのだろうか。そう、夫・義政との関係は。

価値観などよりも もっと奥深いところの問題だろう。

そのせいもあり 2人が床をあわせることがなくなって久しい。
これでは世継ぎを授かるなと夢のまた夢である。


それでいて平気で養子を迎えようとする夫に復讐する為、そしてその子を後継ぎとし 足利の家そのものを足利とは全く繋がりのない血で塗り替えてしまう為にこの場所に来たのだ。



帝そして上皇には
御簾越しとはいえ 何度か拝謁する機会を得ている。
お二人とも血筋では申し分ないし、何より夫以上により男らしさを感じたから。
この方々ならば、
我が体を捧げるに十分値する相手――――


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