僕はHな管理人-3
「僕は住人の皆さんのお世話をすることが仕事ですからね。斉藤さんの為にも力になりますよ!」
『私のことは彩音って呼んで下さい!』
「分かりました…。彩音、僕のことは零でいいよ!」
『ありがとう零…、それじゃあ話すわね』
お互いに下の名前で呼び合うと、二人の距離がグンッと縮まったように錯覚する。
ここが実に大事なところ…
男と女のコミュニケーションの始まりは、お互いに特別な存在…と確認するところから始まるんだからね。
彩音は顔を赤らめながら、ポツポツと話し始めた。
………
彩音の話をまとめると、こうだった。
自分は中、高、大学と、女子しかいない環境で過ごしてきたので、男性に全くと言っていい程免疫がない。
すぐに彼氏が欲しいとかHがしたい訳ではないけど、友達の会話をこっそり聞いていると、女性がイク時の感覚と言うのは、相当に気持ちがいいらしい。
自分も20才を過ぎたのだから、そろそろそんな経験もしてみたい。
女としての快感を、是非一度味わってみたい…と。
「彩音。話は分かったよ。その願いなら僕が叶えてあげる」
『零、ホント?』
彩音の顔が、一瞬にして好奇心旺盛な女の顔へと変わった。
目の下が、心なしかプックリと膨らみ、色っぽく潤む瞳が僕を誘っている。
僕はプライべートな部屋へと続く扉を開け、伯父貴をねだり倒して手に入れた、フカフカのWベッドへと彩音をいざなった。
………
僕達はベッドに腰掛け、僕は彩音の肩にそっと手を置いた。
ピクンッと小さく震えた肩が、経験のない彩音の緊張を裏付けているようだ。
「彩音…肩の力を抜いて、ゆっくりと目を閉じてごらん…」
『うん…』
「怖くないからね。僕を信じて体を預けて…」
『うん…』
「彩音はキスも初めて?」
『うん…』
彩音は、目を閉じたまま、コクリコクリと頷いた。