メルファ・人形残酷(?)物語4-7
「ココは神聖なる法廷内じゃあ。馬鹿な真似はするな」
「しかし!」
「今は我慢せい」
「会長…」
「心配するな。法が裁いてくれる」
「ハァ…」
ジャックは悶々とした気持ちで腰を下ろした。
ボックル会長は裁判長に呼びかけた。
「もうイイじゃろう裁判長! サッサと判決を言い渡してしまえ!」
そして…
いよいよ、判決が下された。
法廷内がシーンとなる中、裁判長によって判決文が読み上げられる。
「被告人メルファ…
今日まで…
大人の人形としてのあるまじき怠けた生活を送り…
子供人形たちに対しては、教育放棄と虐待行為を行い…
更に…
家主マルシア・クルーを殺害した。
これらの罪を犯した事はほぼ明白である。
よって…
被告人を死刑に処す」
裁判長から判決文を読み上げられると、メルファは顔を真っ赤にして叫んだ。
「私ガ何ヲシタッテ言ウノッ!? 失礼ダワッ!!」
裁判長は落ち着いた口調で言った。
「何を言ってるんですか? アナタの罪は明白なのですよ」
メルファは裁判長に指差して言葉を続ける。
「ソウヤッテ、オ前ハ私ヲ陥レヨウトスルッ!」
「私はただ、裁判長としての任務を遂行しているだけですけどネェ」
「ヒドイ! ヒドイ!
ミーンナ、ジャックヤマルシアノ、セイネ!?」
「…」
相変わらずだな。
証人席のジャックは呆れ顔でメルファを見ていた。
自分はよっぽど、メルファに嫌われている事が痛いほど分かる。
まあ、それは仕方がない事かもしれない。
だが、どうしても理解出来ないのが…
主であるマルシア夫人を殺害した事だろう。