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エリザベスドール
【ホラー その他小説】

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メルファ・人形残酷(?)物語4-5

「貴女は、被告人メルファが子供人形の1人…キディに対して度重なる暴力を振るっていたのを見ていたようですね?」

「シッカリト、コノ目デ、見テ、イマシタ」

 物静かな口調のエリザベス。

「その時貴女は、キディを助けようとは思わなかったのですか?」

「思ッテ、イマシタ」

「では何故、助けてあげなかったのですか?」

「メルファ二、気付カレテ、シマウ。コウ、思ッタ、カラデス」

「貴女は不思議なパワーを持っておられる。
 助けても大丈夫なんじゃないのですか?」

 エリザベスは…

 少しばかり間を置いて言った。

「私ノ、パワーハ、国外デハ、使ウ事、禁ジラレテ、イマス」

「なるほど」

 うなずく裁判長。

 虹の理想郷の人形たちの中には魔術とか超能力を自由に扱える者もいるも沢山いる。

 そう言う人形たちには様々な特権や高い地位が与えられていた。

 エリザベスもその1人で、貴族院と言う国属機関に入っている。

 出来損ないの妹であるメルファとは正反対の…
 エリート人形なのだ。

 エリザベスが用いるパワーは、主に癒し系の魔術である。

 病やケガ、モヤモヤした心や傷付いた心を不思議な光で癒やすのだ。

 多くの人間や人形に幸せを与えるパワーだが、国(虹の理想郷ホワイティ)の政策上、国外での使用は禁止である。

 裁判長やボックル会長はその辺りを十分、理解していた。

 裁判長は引き続き質問をした。

「貴女は、妹様であるメルファの犯罪行為を御覧になった。お手数ですが、何か確証となる資料をお持ちになっていらっしゃるのでしたら…」

 裁判長の話しが終わらぬうちにエリザベス…

 片手をゆっくりと上げて、宙をかざした。

 皆が注目する中、光が現れた。

 三次元立体空間映像の光モニターである。

 メルファの自宅での生活の様子がリアルに再現された映像が映し出される。

 衝撃なのが、キディへの度重なる仕打ちかも。


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