巻き戻し 第四話-1
なゆにあんなこと言われて俺も言い返してまぁぐだぐだ。
謝らないといけないんだけど。
いや、でも先に口火切ったのは向こうか…いや、もうこの際そんなの関係ない。
しかし…味がしない。
何食っても無味無臭。
肉ってこんなに味無いっけか?
いや確かに味はあるんだけど…。
あ、味気ないってやつか…。
「おーい龍ー」
「ん?」
「顔色優れませんけど?」
「あ?気のせいだって…」
「那由多ちゃん、だろ?」
「は?襷、なゆと知り合い?」
「10分くらい前からなー」
「あそう」
「でさ、その龍のお姫様、呼んでるよ」
「…なんで?」
「そら知りません。お二人が一番良く分かってらっしゃるのではー?」
「……わり、ちょっと行ってくる」
「行ってらぁ〜」
…………
「なゆ」
「あ、たっつー…」
「えーっと………どした?」
「あ、あのさ…さっきは…ごめん。言い過ぎた。実際専門行ってるたっつーにあれはなかったよね…」
「あ、あぁー…うん。ま、そんな気にしてねーからさ」
と言えば嘘になりますけどね…。