お江戸のお色気話、その3-2
「ふう〜む・・」
老人がそれを言うまで、
長い感嘆の吐息があちこちから漏れていた。
女房の一人は、聞きながら股ぐらに手を入れて、
トロンとした眼をあけて、自分の濡れた穴をまさぐりながら慰めていた。
その脇で、その女房の旦那がその女の胸を触っている。
「ふうむ、なるほど・・・ドクドクとねえ、
女遊びが好きな金さんでも、
そんな色っぽい奥さんなら、一杯出したくなるんだなぁ・・」
と魚屋が言うと、男達は(うんうん)と頷いていた。
男達は、羨望の眼差しで金吉を見つめていた。
そんな金吉を見ながら、自分もそんな良い思いをしてみたい
と、それぞれの男達は思っているようだ。
「それで、その後・・奥方はどうなったのかな?・・金吉や」
一息入れて老人は、再び煙草を吸いながら金吉に聞いた。
皆がその先を聞きたがっているのが、分かる。
「へえ、あたしは奥方を抱きながら穴の中へ出しましたが、
でもその後も、抜かずにまだ繋がっていました、
えへへ、実は抜くのが惜しくて、良い女だしね、
又、女もいやらしく腰を押し付けていましたしねぇ、
汗をかいた女は良い匂いがしましたよ、それから」
「抜かずに?・・ほお、それから?・・また何かしたんだな」
「そうですよ、ご隠居・・あたしの肉棒が、
またジワジワと、締め付けるように、
気持がよくなってきたんでね」
「ふむふむ、入れたまま奥方が、
また感じてきたとでも言うのかな」
「そうなんですよ、ご隠居、
奥方は妖しい目をして薄目を開け
あたしの耳元で腰を振りながら、甘えたように言うんですよ」
それを聞いていた聴衆の一人で、左官屋の為吉が思わず叫んだ。
「金さんや、奥方が(もう一発して欲しい)とか、
言ったんじゃないのかい?」
と、髭面なこの男も、興奮して口から唾を飛ばしながら言った。
「当たり!そんなんだよ、為さん」
嬉しそうに金吉は頭を掻きながら言うと、
「いよぉ!色男!」と誰かが言う。
皆が手を叩きながら囃し立てた。