魔性の仔Last-3
「こんな…先生をこんな目に遭わせたのは、あなた逹ねッ!」
必死の形相で男逹を睨め付ける。
「オレの質問に答えてないな。おまえは刈谷の仲間だろう?」
男逹は、表情を崩さずニヤニヤ笑っていた。
「その前に私の質問に答えなさいッ!」
憎しみに満ちた声。
男は早紀の気概に折れた。
「すべては我らの存在を知られぬため…」
「あんた逹の存在って…?」
「我らは村のため…あの方を奪い返すのが目的」
(あの方って…もしや)
早紀は直感で、あの女の子のことだと分かった。
「あの子は何なのッ?人の命を奪ってまで守るって、どんな存在なのよッ!」
決死の訴え。あまりの理不尽さに対して。
だが、男はいみじくも云った。
「あの方が居なくなれば、我が村は滅びるのだ」
次の瞬間、男は早紀の腰周りに腕を伸ばした。
「いッ、いやああぁぁーーッ!」
恐怖におののく早紀。
「おまえは村に連れてこいと云われておるッ。但し、生きたままとしか聞いておらぬがなッ!」
早紀は男の肩に抱え上げられた。
「さすがに、この場所では雰囲気もないな」
男逹は中尊寺の部屋を出ると、階下にある客間へと進んだ。
「は、放してッ!」
手足を振って抵抗をみせるが、腰をガッチリと抑え込まれて逃げる術もない。
男は早紀を抱えたまま階下へと向かい、ある部屋にたどり着くと彼女の身体を放り投げた。
「きゃあッ!」
「ぎゃあぎゃあとうるさい奴だ。放してやったぞ」
そこは1階の客間。刈谷と少女が寝起きに使っていた部屋。そのベッドの上だった。
「な、なにをするのッ!」
口唇を固く結び、身構える。そんな彼女の仕草を男逹は嘲笑う。
「おまえには、本当の快楽を教えてやろうぞ」
次の瞬間、男逹の手が早紀に伸びる。手足の自由を奪われ、ベッドに仰向けの状態になった。
「い、いやッ!放して」
首を振る早紀。男のひとりが、腰にぶら下げたヒョウタンの壺を取り栓を抜いた。
「さあ、これを飲め」
男は早紀の鼻を掴んだが、必死に抵抗して口唇をつぐむ。
「だったら無理矢理でも飲ませるぞ」
男の拳が早紀の鳩尾にめりこんだ。あまりの激痛に大口を開けて激しく咳き込んだ。
飲み口が早紀の口に入った。勢いにまかせ、中に入った液状のモノが彼女の喉を通過した。