秘密〜文化祭〜-5
(だから、知らない人に指を指されたんだ!
いつの間にこんな写真…
そうか!この前部室で寝ちゃった時!!)
私は頭にきて、写真を剥がそうとパネルに近付いた時
「この写真、キレイだね」
私の後ろで写真を見ていた女子高生が言った。
「凄く幸せそうな顔して眠ってて、なんだか見てるだけでその幸せがこっちにも伝わって来て、心があったかくなる」
「確かに幸せそうな顔して寝てンな」
隣にいた男子高生が言った。
そのまま二人は何かを話ながら、どこかへ行った。
(そりゃあ、美味しいケーキを思いっきり食べる夢を見てたから、幸せではあったけど…
キレイ?あったかい?)
私が、さっきの女子高生の言葉を思い返していると
「わかる気がする」
えみが、ぽつりと言った。
「幸せな感じが伝わって来て、心があったかくなるよ。
コレ、凄く素敵な写真だと思う」
えみがにっこり笑った。
私は急に恥ずかしくなった。
そして、この写真を見ている人を見てみた。
皆、じっと写真を見つめている。
中には、顔が綻んでいる人もいた。
私はもう一度写真を見つめた。
(何で先輩はこの写真にしたんだろう?)
ただの、寝顔写真。
写真の眠り姫は、幸せそうに眠り続けていた―─