再会した2人-1
―――ガラガラッ
俺は神木の横をすり抜け、由里子のいる保健室へと入った。
神木との話の直後で興奮気味だった俺は、大きく1つ深呼吸をして気持ちをしずめた。
そして、あらためて由里子に声を掛けた。
♯♯♯
『由里子起きてるか?』
「うん」
『そっち行ってもいいか?』
「うん」
俺は由里子のベッドの横に立った。
たしか、この前由里子と別れたのも病院のベッドだったな。
ふとよぎる、あの時の失望感―――俺の胸に再びピリリと痛みが走った。
まだ癒えてないか…
由里子を目の前にした途端、あらゆる記憶が一気に甦り、俺は軽い混乱状態に陥った。
酸素が薄いような息苦しさを感じる…
ほんの2ヵ月前のことなのに、ずいぶんと前に経験したことのような気もする。
そんな過去の想いを引きずる俺を横目に、先に口を開いたのは由里子の方だった。
「座って…」
近くにあったイスを指差しそう言った。