再会した2人-3
『あぁ、神木とちょっとな…』
「佑介と?」
―――佑介という名前を無防備に俺の前で発し、由里子は目を伏せた。
『いいよ、由里子。俺にそんな気を使うなよ!』
「うん…」
俺は、由里子に微笑みかけたつもりだったけど…うまくいかなかった。
「佑介、先生に何か言ったの?」
『うん、まぁいくつか聞かれたことはあるよ』
「そうなんだ…」
由里子はうつむいて唇を震わせ、今にも泣き出しそうだった。
由里子…その涙は誰の為のものなんだ?
やっぱり神木の為か?
それとも…
俺の為の涙だったら嬉しいんだけどな…
「先生?私も聞きたいこと…ううん、聞かなくちゃいけないことがある」
涙でくぐもった由里子の声…
由里子はうつむいた瞳から、固く握り締めたこぶしの上に、ポロポロと涙を落としながらそう言った。
由里子が俺に聞かなくちゃいけないこと…
―――神木と話したあとだけに簡単に予想は付いた。