再会した2人-2
『あぁ…ごめん』
俺は、しばし立ち尽くし自分の世界に浸っていたことを詫びた。
俺がイスに座ると、由里子はベッドから体を起こし、ちょうど俺と目線の高さが合った。
急に手の届く距離に由里子を感じ、年甲斐もなくドキドキする。
「久しぶりだね!」
由里子は、変わらない笑顔を俺に見せてくれた。
『あぁ、久しぶり!』
俺もそんな由里子の笑顔につられ、自然と笑顔になった。
この2ヵ月間―――
また由里子と2人で逢うことが出来たなら…と、はかない期待を胸に過ごした日々だった。
その時の為に用意した数々の言葉達―――
良いことも悪いことも…
言わなくちゃいけないことも、聞かなくちゃいけないことも…
たくさんあった気がするが、実際由里子を目の前にしたら何1つ出てこない…
俺…何、動揺してんだ?!
そんな時―――俺の沈黙を破り口を開いたのは、またしても由里子の方だった。
「さっき、廊下で大きな声がしたけど―――」
由里子の不安そうな顔…
やっぱり聞こえてたよな…