メルファ・人形残酷(?)物語3-9
「ところで、子供たちって結構可愛いわね?
街で大評判よ」
メルファは当然のような顔をして、誇らしげに自慢する。
「当タリ前デショウ?
子供タチ優秀ダシ、私ノ自慢ダワ」
「…」
どこが優秀なの?
「ミンナ、元気ダシ」
「全部で何人いるの?」
「29人ヨ」
「29…」
え? 29人?
ルーシーがさっき、ざっと数えたところでは28人にしかいなかった。
用意して来た土産品の数は29個だけど、そう言えば1人…1個余計持って行ったっけ。
では、あと1人は?
「28人にしかいないって、どう言う事かしら?」
2人の会話を聞いているスザンヌが不安がる。
「まさかメルファのヤツ、又1人殺してしまったんじゃあ」
ジャックが物騒な事を口走ったけど、有り得ない事もないだろう。
ルーシーが質問する。
「29人だけ?」
「モウ1人イルワ」
「どこに?」
「今、街ノ人形病院ニ入院シテイルノ」
「ケガか何かで?」
「棚ノ上デ、フザケテテ、床ニ落チテ足ヲ折ッチャッタノ」
「あらまあ」
「ウソばっかり。そんな話し、聞いていないわよ」とマルシア。
「シバラク、帰ッテ来レナイワ」
寂しげな顔をするメルファだけど…
ルーシーは端から信じてはいない。
メルファ、本当はその子をどうしたのよ?
この時だ。