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エリザベスドール
【ホラー その他小説】

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メルファ・人形残酷(?)物語3-8

「ミーヤァー」

 子供たちは目を輝かせながら、品物の周りに集まって来た。

 各自、気に入った物を我先と手にする。

 自分たちに何か、くれる事だけは認識しているみたいだ。

 皆、大喜び!

「ハイハイ! ミンナ、品物取ッタラ奥へ行ッテナサイ!」

 メルファは子供たちを掻き分けてテーブルをドンと床に置いた。

「ミャーイ!」

 気に入った物を手にした子供たちはダーッと、奥へ引っ込んで行った。

 めるふぁー

 アンタったら子供たちに礼も言わせないの?

 済ました顔のメルファにルーシーはカンカン。
 旧友の常識のなさに、呆れるばかりだ。


 部屋の中が落ち着いてから、ティータイムが始まった。

 奥でバカ騒ぎしているる子供たちを尻目に、会話が弾む。

「メルファは今、何かやっているの?」

「何モシテナイワ。
 家デ、ノーンビリ過ゴシテイルノ」

「ふーん」

 イイわネェ。

「ルーシーハ?」

「うーん別に、何もやってない」

「マア、私ト一緒ネェ」

 ハハハ、一緒じゃないと思うけど…。

「仕事しなくて、生活に困らないの?」

「困ラナイワ。遊ブ事ニモ食ベル事ニモ、何不自由シナイノ」

「そうっか、メルファの場合はマルシアって言う人間がシッカリしているから…生活面には困らないってワケなんだ」

 メルファは両手を広げ始めた。

「周リヲ見テ」

「周り?」

 言われるがままに、辺りを見回すルーシー。 

「広イ、オ部屋ニ素敵ナ高級家具、フワフワシタ絨毯、ソレニ可愛イ子供タチ。ミーンナ、私ノ為ニ用意サレタモノヨ。
 私ガイカニ、大事ニサレテイルカッテ証ヨ」

「確かに…」

 メルファが単に、人間のスネをかじっているだけだと思うんだけど…。

「羨マシイデショウ?」

「うん、まあ」

 別に、羨ましくないけど?

「私ッテ、幸セダワ」

 あっそ。


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