メルファ・人形残酷(?)物語3-7
クルー邸に向かっていた時、ルーシーは思っていた。
お姫様みたいな贅沢な暮らしをしているメルファの部屋って、どんな感じなのだろう?
実際、目の当たりにしてみると…
うーん、なるほど。
中は広く、家具や調度品はみーんな高級品ばかりじゃないの。
意外とキレイにしているのには、驚きだわ。
メルファは昔から、あまり掃除をやりたがらないタチだから…
てっきり、中は散らかっていると思っていた。
マルシア様かジャックにやらせているかもね?
「…」
人形部屋で遊んでいた供たちは、突然の来客人形に目をパチクリ。
自分たちの親以外の大人の人形を見るのは、初めてなのだ。
「こんにちは、可愛い子供たち」と、ルーシーはニッコリと挨拶。
子供たちの方は何も言わず、ただボーっと突っ立っているだけ。
コラァ、挨拶ぐらいせんかい。
こう言いたくなるけど、黙っておく。
ガキどもを泣かせたら、口の悪いメルファは何言い出すか分からない。
今はガマンガマン。
まあいくら注意したって、子供たちにはピンと来ないだろう。
母親自体が躾らしい躾はしておらず、放任状態でいるみたいだから。
だから、注意する事自体が無理なんて話し。
そもそも、メルファのような性悪女に子供を与える事自体が、間違っていると思う。
気を取り直して、持参して来た大きな袋をヨイショと床に置いた。
ヒモを外して封を開け始める。
「ソレ、ナアニ?」
「何でしょう?」
「キット、爆弾ネ?」
「え゛…?」
アンタネェ、どこからそんな発想が出るの?
ルーシーは笑いをこらえながら、中の物を取り出し始めた。
「子供たちにお土産、用意して来たの」
品物は玩具やぬいぐるみ、大きなボール類だ。
品物を床に並べる。