メルファ・人形残酷(?)物語3-4
「誰が、そんな事を?」
「あのコが自分で、自慢してたけど?」
「何て自慢してたの?」
「私は成績優秀だったのよって」
ルーシーは大笑い!
「相変わらずネェ、あのコって!」
「実際はメルファ、成績はどうだったの?」
「トップなんて大嘘。
成績は悪かったし、あのコ…途中で学校辞めちゃったんだから」
「辞めた!」
初めて知った事実。
これにはマルシアは驚きである。
スザンヌが補足する。
「と言うより、協会側の判断で退学処分になったと言ってイイでしょう」
人形学校では、やる気ない者は退学になる。
「んまァ」
呆れ顔のマルシア。
ジャックが質問する。
「じゃあなんでメルファは、成績トップだなんて嘘ついたんだ?」
「自分の本当のプロフィールを、大嫌いな人間に知られたくないからよ」
「人間嫌いは仕方ないけどよ、なんで素直に自分を見せないんだろう?
恥ずかしい事かな?」
「気取り屋で、プライド高いメルファにとっては恥ずかしい事なの」
「バカなヤツだ。かえって、損するだけなのに」
ルーシーは苦笑い。
「実際、損してるわ。
口では偉そうな事を言っても何も出来ない。
素直じゃないから、誰もあのコを相手にしなかったのよね」
「友達とか、彼氏とかはいなかったんだ?」
「うーん私以外に…
そうねェ…
確かァ… ディック・マスターって言う男人形と付き合っていた」
「街の不良人形たちのリーダーだったわネェ」
スザンヌもディックの事は知っている。
一時期、生活指導をした事があるからだ。
だがあまり、キチンとした指導はやれなかった事は覚えている。
とにかく、札付きのワルだったから気は荒く…
手の付けられない乱暴者で、人間の言う事でさえも聞かなかった。
あの時、スザンヌは…
こんなクズ人形なんて、壊されてしまったらイイわ。…なーんて、よく陰でグチっていた。
だけど今は…
マルシアが話しを変えた。
ルーシーに質問をしてみる。