「瓦礫のジェネレーション」-54
陸は美咲の髪を撫でながら、慎重に言葉を選んで尋ねた。
「そういえばさっき、健ちゃんが言ってたんだけど……」
「健志が?なんて?」
「避妊はどうしてるのかとか、『高校生にピル飲ませるのは』とかなんとか」
(……健志らしい。遠回しすぎて陸には通じないと思うけど)
「あのね、陸。私、留学しようと思ってたのよ」
「おいおい……どこ行くつもりだ?」
「どこでもよかったの。誰にも知られずに一人で産みたかったから」
「ちょっと待て。……あのなあ。本当の本気で、俺に黙ってるつもりだったのか?そんな大事なことを」
「さっきまでは」
「今は?今はどうしたい?」
陸の問いに美咲は笑って答えず、陸の股間に手を伸ばす。
「おい、美咲?」
「だってさっきしてくれなかったじゃない。私は『抱いて』って言ったのよ」
美咲はそう言ってから、かがみこんで陸のものを唇ですっぽりと包み込んだ。
(完)