「瓦礫のジェネレーション」-46
(美咲にいてもらった方がよかったかな)
「さっきのきれいな人が、陸の彼女?」
「ああ。塩飽美咲って言って、幼馴染みなんだ。塩飽コーポレーションの一人娘」
「それでお葬式の手伝いに来てるのね」
「まあね。彼女は彼女なりに兄貴のことでは責任を感じているんだろうし」
そこまで言ってから、陸はしまったと思った。そんなことまで美奈子に言うべきではない。
しばらく黙り込んだ美奈子が、ようやく口を開いた。
「今夜、一晩中一緒にいてくれる?」
「美奈子……それは……」
それはできない、と陸が口にする前に、美奈子は陸に抱きついて唇を重ねてきた。と同時に、美奈子の手が陸の股間に伸ばされる。
(ああ、あのころと同じだ。美奈子はよくこうやって……。いや、ダメだ)
「美奈子、ダメだよ。俺はそんなつもりは……」
「寂しいのよ。一人じゃいられないの……。自分でも馬鹿なことしてるって分かってるわ。だけど、どうしようもないの……」
美奈子はそういうと、陸のジーンズのジッパーを降ろし跪いてそこに顔を臥せた。
「美奈子……」
陸の自制心はそこまでで限界だった。そのまま美奈子を抱き起こすと唇を吸い、服の上から乳房をまさぐる。ブラウスのボタンを外し、スカートを脱がせ、下着姿になったところでそっとベッドに横たわらせる。それから自分も服を脱ぎ捨てると、美奈子に重なっていった。
ブラジャーのフロントホックを外してから、上体をすこし起こして肩ひもを腕から外す。パンティを降ろすと、つまさきにひっかけて脚から抜く。
生まれたままの姿になった美奈子は、あのころと変わっていなかった。遠い昔の、馴染んだ体の記憶。忘れられる筈もない。
陸の唇が美奈子のうなじに触れる。左手は胸の頂きのあざやかなピンクの蕾を捕らえ、右手は下腹の茂みをなで回している。美奈子はじれるように腰をひねった。右手が更に下へと伸ばされると、その奥は既に熱く潤っていた。
美奈子は両手で陸の顔を挟むと、その目を見つめた。
「陸……」
美奈子の瞳が潤んでいる。陸がそのまぶたにそっと唇で触れると、美奈子は腕を頭に回して抱き締めてきた。左手で陸の右手首をつかむと、奥へと導く。ぬるっとした感触の中で、陸の指は敏感なポイントを探りあてていた。
「くうっ……」
美奈子が白い喉を見せてのけぞる。陸は体を少しずらして唇で乳首を捕らえる。美奈子の両足を開いてその間に体をいれると、しばらく両方の乳房の感触を確かめるように舌先でたどってから、更にその舌を鳩尾、わきばら、へそ、そしてその下へと移動させる。両手で太ももを左右にひろげてから、その合わせ目の突起を舌でくすぐる。
「んん……ん……あ……ん」
溢れ出ている蜜を嘗め、舌先で敏感な花芽をころがしていると、美奈子の呼吸が荒くなり、
堪え切れずにせつない喘ぎを漏らし始める。
「ああ……りく……来て、すぐ来て……お願い」
美奈子の甘い声。陸は記憶に導かれるように、美奈子の花芯にあてがい、そしてゆっくりと貫いた。柔らかい肉がなめらかにまとわりつき、握り締めるように陸のものを包み込んだ。あのころの性急さとは違う陸の逞しさに、美奈子の喘ぎが高くなる。
「ああぁ……りく……いい……り……く……」
美奈子の腰が一瞬ベッドから持ち上がると、全身を大きく震わせ、そして力が抜けた。その体の奥に、陸の熱く滾ったものが迸った。
肩で息をしながら美奈子の隣に仰向けになった陸の唇を、美奈子の唇がすかさずふさぐ。陸の上に乗ると、そのまま体をずらし、力を失っている陸のペ○スを口に含む。舌を這わせ、吸いつき、嘗める。まもなくそれは力を取り戻し、熱く脈打ち始めた。
美奈子は陸の腰に跨がると、左手で位置を定めながらゆっくりと腰を降ろしていった。
「あぁっ……」
ため息とも喘ぎともつかない声をひとつ漏らすと、美奈子は腰を使い始めた。陸は下から手を伸ばして、手のひらで乳房をすくうように持ち上げると親指で蕾をこねまわす。
「りく……あぁ……りく……」
美奈子はうわごとのように陸の名を呼びながら、腰をゆすりたてる。陸の両手が美奈子の尻に回され、腰の動きを助けるように支える。美奈子の腰の動きが早くなり、陸もそれに合わせて下から腰を突き上げる。
「いい……い……くぅ……」
美奈子は、がっくりと陸の胸の上に倒れこんだ。