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「瓦礫のジェネレーション」
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「瓦礫のジェネレーション」-31

「男同士の大事な話は終わり?混ざってもいいかな、もう」
美咲が笑いながら缶ビールを2本持ってきた。陸と健志に1本ずつ手渡すと、自分は立ったままペットボトルのミネラルウォーターを飲んでいる。
「あれ、健志、なに顔赤くしてるのよ?」
「そんなことより美咲さん、ビール飲まないの?」
「ちょっとね、ビールは今止めてるの」
「へえ。あ、そうだ、美咲さん。18、9の女の子が喜ぶようなプレゼントって何ですかね?」
健志は唐突に思い付いたことをそのまま口に出していた。
「私にそれを聞く? 普通の子だったら、指輪とかでしょうね。まあ私は彼氏からジュエリーだのブランド物だの欲しがるような女は大嫌いだけど」
美咲はくすくすと笑いながら続けた。
「そんなものよりもね、健志がその甘ったるいバリトンで『好きだよ』って耳もとで言えば、たいていの子は言うなりになっちゃうわよ。腰が抜けちゃって」
そこへ陸が口を挟む。
「美咲、なにやり手ババアみたいな話してるんだよ。……でも、誰かも言ってたよな、『健志の声ってとろけそうな感じ』だって」
「やだなあ、からかわないで下さいよ、ふたりとも」
「俺は男だからわからないけど、女は目を閉じてる時の方が感覚が鋭くなってるとか言うしな。まあ、持ってる武器は有効に使わないとね。健ちゃんは対女だと武器もち過ぎだと思うが。そのルックスにその声に、おまけに医大生だしな」
「あら、陸だって素敵よ」
美咲が笑いながら陸のとなりに腰を降ろした。
「はいはい、ごちそうさま。なんだ、美咲さん雰囲気違うと思ったら二人ラブラブじゃないっすか。俺もう1本ビールもらうわ」
健志はつきあい切れないとばかりにキッチンへ立った。

深夜。

自分のマンションに戻った健志は、美咲の部屋から回収したかおりの陵辱ビデオを消去しながら、かおりの携帯に電話をかけた。
「はい」
「あ、俺、健志だけど、寝てた?」
「これから寝ようかと思ってたところです」
「よかった。起こしちゃったかと思ったよ」
「で、何か用ですか?」
かおりはそっけなかった。仕方が無い。愛想よくしてもらおうというのは土台無理な話なのだ。
「あのさ、もし、もし仮にこないだの連中に会って何か聞かれたとしても、俺と二人で会ったっていうのは絶対に言ったらだめだよ」
「……あたりまえです。あんなこと、誰にも言えるわけありません」
「……そうだよな。言うまでもなかったか。ゴメン。じゃあおやすみ」
「おやすみなさい」
(これで大丈夫だろう。もし葉子が俺の気持ちが他にあることに気付いたとしても、それがかおりだとわからなければ、かおりに手出しするようなことはあるまい)

かおりは寝つけなかった。電話を切ったあとも健志の「おやすみ」の言葉がいつまでも耳に響いている。何もかも溶かすような甘い声。
(あの人、ここに触れたんだ……)
左手の人さし指で自分の乳首にそっと触れてみる。たちまち昼からの記憶が蘇り、体の奥から甘いうずきが沸き起こる。
(体が、熱い……。何やってるのよ、かおり)
しかしかおりは指の動きを止めることができなかった。
「あ…」
思わず声が出そうになり、あわてて口を閉じる。
「ん……くふぅ…」
(何してるのよ。こんなこと、止めなきゃ……でも)
車の中で健志に乳首への愛撫だけでイカされたことがハッキリと思い出される。かおりの指は、その時の健志の動きをなぞるように動く。かおりの体にはすっかり健志の愛撫がしみついてしまったようだ。息が荒くなり、口を閉じるだけでは声を抑えられなくなってくる。
「くう……ん」
掛け布団のはじを噛み締めて必死に声をこらえる。腰のあたりがむずむずしてじっとしていられないのだ。右手をそっと、パンティの上から押さえるように触れてみる。
「…!」
全身がびくっとする。
(あの人のが、ここに……入ってた……ああ、ダメ、そんなこと思い出しちゃ)


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