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あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―
【教師 官能小説】

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絶望からの生還-2

事情聴取と言っても、加害者である由里子の義父は、俺の足蹴りで意識不明のまま入院中だったし、由里子も話が聞ける状態ではなかった。



まずは両者の回復を待ってから…ということで、俺は指紋を取られたり、書類に署名捺印をしたりと、ほぼ事務的なもので終わった。



ただ加害者が俺の暴行(不当な言われようだが…)により、重傷を負っている為、多少なりともやっかいなことになるのは覚悟した方がいい…と刑事から忠告された。



しかし、昨日おぞましい現場に立ち合っていた刑事達は、おおかた俺に同情的で、正当防衛の適応範囲だろうとも言ってくれた。



そんなこんなで、俺は由里子に会うのを諦め、おとなしく自宅に帰った。



不幸中の幸いと言ったら不謹慎だろうか… 由里子の事件が夏休みの前日だったこともあり、生徒やその保護者には事件を知られずに済んでいた。



    ♯♯♯



俺が由里子の病室に向かう途中、花の水替えを終えた由里子の母…響子に出くわした。



由里子は先程意識が戻り、今また眠ったところなので、良かったら少し話でもしないか?と誘われた。



もちろん断る理由もないので、俺達は病院最上階にある喫茶ルームへとエレベーターで上がった。



響子は美容の仕事をしていて、テレビにも時々出ている…というだけあって、病院内でも目を引く程の美しさだった。



響子本人は、そんなまわりの視線にも慣れてしまっているようで、至って穏やかな微笑みを浮かべていた。



まだあどけなさの残る由里子も、あと20年経ったらこの響子のようになるだろうか?



思わず想像を巡らす程、目の前にいる響子と由里子はよく似ていた。



響子はまず、由里子を助けだしてくれたことに、とても感謝している…と礼を言った。



そして、今までの由里子との親子関係や、娘に暴行を働いた夫のことなどを、ポツポツと、しかしはっきりとした口調で話し始めた。



俺は黙って、響子の話を聞いていた。


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