戸惑いの日々-3
初めてキスしたあの日…
『何かあった時の為に教えとく…』って、先生が連れて来てくれたこの場所に。
2階の1番奥の部屋…
電気が点いてる…
先生いるんだ!!
階段を駆け上がり、ドアの前に立った時、ちょうど部屋の電気が消えた。
そして、開いたドアの先に―――人影が2人?!
…………?!
立ち尽くした私の目の前に、先生ともう1人―――髪の長い女の人…
スラッと背が高くて、モデルさんみたいにスタイルのいいきれいな女の人…
その人は、すごく自然に先生に腕を絡ませて笑ってた。
私なんかよりずっと大人で、ずっと先生と似合ってる。
私はそう思った瞬間―――全速力で駆け出してた!
『―――由里子っ。………ちょっと待てよ!!』
私を呼び止める先生の声が、階段の途中で聞こえたけど振り返らなかった。
心臓がドキドキ急激に高鳴って、このまま胸の皮膚を突き破りそうな程痛かった!!
でも、走るのを止めるわけには行かなかった。
大好きな先生が、私の知らない女の人と腕を絡めてた…あの恐ろしい現場から、少しでも離れてしまいたかったから…
気がつくと、走りながら涙が頬を伝ってて…
哀しくて哀しくて…立ち止まって声をあげて泣いた。