由里子の秘密-5
パパはそんな時、私の中に指を入れることもあった。
始めは痛くて痛くて泣きそうだったけど、何度目かの時にはすごく気持ちがよくなって、たくさん声が出た。
それは高3になった今でも続いていて、門限に遅れるとパパとの“なかよし”が待っていた。
今はまだ、指を入れるだけで済んでいるけど…
その先のことを考えると、私は恐くて恐くて体の震えが止まらなかった。
♯♯♯
『由里子…何かあるのか?』
私の異変を目のあたりにして、先生の声が凍りついた。
『なぁ由里子?そこまで泣く理由が…何かあるのか?』
先生が心配して、私の肩を抱いた時には、私の涙は止まっていた。
今までだってたくさん泣いてきた。
毎晩毎晩、泣き疲れて眠り、朝を迎えた…
だから、もう涙なんて出ないと思ってた。
だけど、先生のあったかくて力強い腕に抱かれた時―――涙がフワッと溢れた。
『由里子…話してごらん。俺、由里子の力になるから!』
先生…信じていいの?
私、先生に嫌われたら哀しいな…
でも…もうこれ以上1人で抱えているのは―――限界だったんだ…
パパとの秘密―――私は先生に話す決心をした。