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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-9

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 とはいえどこを探せばよいかもわからず、ただひたすらに歩き回る紀夫。
 教室の大半は鍵がかかっているおかげで探す必要が無く、女子トイレに入ることも
できず、成果も出せずに校舎内の捜索を終える。
 部室棟を覗いてみるも新部室にも旧部室にも久恵の姿はなく、ついでにプールを見
たが、やはりいなかった。

 ――どこいったんだろ?

 あと探していないところは……、ふと思いつく。

 ――保健室。

 後ろめたさのせいか意識的に見落としていた部屋に紀夫は向う。

**

「失礼します……」

 校内で一つ、異質な部屋。保健室。消毒用のアルコールの匂いが鼻につく、校舎か
ら切り離された存在。

「ん? どうした急患か?」

 豪快な裕子の声に気圧される紀夫。それでも入り口でつったっていたところで意味
も無いと、ひとまず部屋に入る。

「いえ、陸上部で……久恵先輩!」

 すると裕子の前に久恵を見つける。彼女も彼に気付いたらしく、軽く会釈をしてく
れた。

「あらマネージャー君。誰か怪我でもしたの?」
「いえ、先輩の姿が見えなくて、それで探していたんです」
「ふーん、そ」

 彼女はあまり紀夫に興味がないらしく、そっけなく一言呟くと視線を包帯の巻かれ
た右足に向ける。

「先輩、脚怪我したんですか?」
「梨本さんはちょっと足捻ったぽいんでな、シップしといたから……まあ二、三日は
様子みたほうがいいんじゃないか? 練習も大事だけどな」

 満面の笑顔の裕子は豪快に笑い、はさみで包帯を切り、きゅっときつく結ぶ。

「ありがとうございます。それじゃあ……」

 処置が終わると同時に久恵は立ち上がり、裕子に頭を下げるとそのまま部屋を出よ
うとする。

「先輩?」
「私、そういう事だから、先に帰るわね。平山先生に言っといて」

 勝手な言い草の久恵にさすがに腹を立てる紀夫だが、何か言おうとする頃には扉の
閉まる音だけが残った。

「お前のところ、変なのが多いな」
「そうですか。そうですね……」

 どちらかというと真面目の部類に入るはずの久恵があの態度。いくら引退間近とは
いえキャプテンとして他の部員の模範を示してもらいたいもの。


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