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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-43

「ああ、バスも行ったみたいだし……」
「そうなんだ。ふふ、ドジだね」
「そういわないでよ。へこんでるんだから……」
「でも様になってきたんじゃない? ここのバイト」
「バイトって……」
「いっそ合宿が終わるまでバイトしてれば?」
「そんな……」

 とはいえ夏の間の簡易アルバイトも悪くないのかもしれない。家に帰っても宿題の
類は終わっており、陸上部もエースクラスがいないと途端にのんびりだらけムードを
醸しているのだし。

「はい、里美ちゃん。午後もがんばってね」
「はーい」

 代わりにドリンクを持ってきたおばさんは既に里美の顔と名前を覚えているらし
く、ニコニコしながらやってくる。

「そうだ、また何か買い物とかありますか?」
「え? ああ、そうねえ……」

 パートのおばさんは帽子でまとめた頭を描きながら「何かあったかしら」と厨房の
ほうへと行く。

「買い物って、なんかあるの?」
「うん。たまに買い忘れっていうか、発注忘れがあるっぽくてさ、合宿の人が持ち回
りで買い物行くんだって」
「へー、それで今回は里美さん達の番?」
「んーん、あたしは今日暇っぽいし……」

 今日は快晴そのものだが、昨晩は雨。彼女のトラック競技は予定していた練習が出
来ず、かといって他の場所は他の競技のプログラムが行われている。結局彼女らは自
主トレという形の自由時間を与えられていた。

「ああ、ちょっと調味料がきれてたわ。あのね、福神漬けとカレーの粉あるじゃな
い。あれ買ってきて。業務用のね」

 パートのおばさんは五千円札と買い物のメモを渡すと領収書は「相模原運動場で切
るように」という。

「それじゃいこっか」
「え? どこに?」
「どこって買い物。まさかこんなか弱い女子一人で行けとかいわないわよね?」

 メモにはカレー粉五キロ、福神漬け二キロ。他にも色々見慣れない言葉があるが、
確かに一人で持てるものでもなさそう。

「うん。いこっか」

 帰りのバスは夕方までないのならこれ以上手に傷を負う必要もないと頷く紀夫だっ
た。


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