……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-42
「わ……熱いや……すごい……なんで?」
「俺も……いった……から……」
イッたあとも彼女の膣襞は彼を抱きしめることを止めず、柔らかくなりだすそれを
締め付け、尿道に残る精子を絞り出そうとしていた。
「紀夫君も……イクんだ……きゃ、また大きくなった……」
「ゴメン……なさい……」
「んーん、いいよ。大丈夫」
「先輩……俺達……」
「うん。かもね……」
「先輩と、もっと……」
「いいよ。また今度ね……」
射精の達成感からか眠気が紀夫を襲いだし、瞼が重くなると彼はそのまま目を閉じ
てしまった。
**――**
携帯のアラームに起こされた時には既に雨どころか夜が明けていた。
着衣の乱れはなく、タオルケットも被っている。
昨日のことは夢だったのか? そんな妄想も部屋の隅に丸められたティッシュに打
ち消される。そして携帯のメールには見知らぬアドレスから一言。
――寝顔があんまり可愛いからイタズラしちゃった。里美ちゃんに会う前に顔洗っ
ておきなよ?
頬を撫でた指に赤い痕。急いで洗面所にいくと、キスマークが指で滲んでいた…
…。
**
食堂の朝は夕方よりも忙しい。なにしろ食べ盛りの五十人の食事を作るのだ。作り
置くにしても今は夏、おかずを選ぶ必要があるのだ。
「ほら、ぼやぼやしないの。仕事はいくらでもあるんだから!」
豆腐に目玉焼きにキャベツのサラダ。コレだけでは栄養バランスが悪いと青菜とレ
バーの炒め物。味噌汁にごはんを合わせてそれにヨーグルトをのせて一人分。
紀夫は各テーブルにヨーグルトを乗せて回っていた。
――しかし皆よくこんなに食べられるよな。俺、見てるだけでおなか一杯だよ…
…。
以前定食屋で見た里美の食い気を思い出すとこの量も納得できると思う一方、これ
がアスリートの一日の始まりと感心していた。
「終わりました!」
「そんじゃ次は布巾あらってテーブルに置いてきて!」
「はい!」
食欲は真似できなくとも返事だけは威勢よくと、お腹から声を出す紀夫だった。
食事の後片付けと昼食の下準備。
包丁を振るうよりはと食器洗いをするも量は膨大。洗浄機に入れては戸棚と洗い場
を行ったりきたりを繰り返す。
それは思ったよりもハードで、特に重ねた皿を運ぶのに神経を使っていた。
「おーい、バイト君。それが終わったらキャベツの千切り教えるからこっち来て〜」
四十になるかというころのパートのおばさんは紀夫をすっかり新しいバイトと勘違
いしているらしく、彼に新たな仕事を振っていた。
「はーい」
場所が校外であっても結局は断れない紀夫であったわけで、今から急いだところで
既に町へのバスは出庫済みであった……。
食堂でキャベツ相手に格闘する紀夫はすでに親指と人差し指に名誉の傷を負っていた。
それでも止められないのは他にすることが無いため。
「あれ? まだいたの?」
朝のトレーニングを終えたらしく里美が空のペットボトルを持ってやってくる。