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『てらす』
【歴史物 官能小説】

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『てらす』-18

―ご存知ですか、お嬢様。愛する殿方と……。

股に感じる兄の肉棒。
生々しい肉の感触に、火照った鉄棒のような熱。

―赤子を授かるための神聖な儀式なのですわ。

兄の息遣いを感じる。
ぬちゃぬちゃと兄の肉棒が私の秘部の上を行き来する。
身体が疼いた。
ぽたぽたと、土間の床に水滴が垂れる。

「お願い。やめて、兄様…」

私は兄に必死の懇願をした。
いつもの兄ならきっと聞き届けてくれる。
それが今は通用しないと判っていても。

「隻様、ここにございます」

兄の肉棒を掴む老人の腕。
肉棒が、その場所に触れた瞬間。
脳裏に融の顔が浮かんで消えた。

「いやあああああ――!」

めりめり。
音を立てて入ってくる。
私がどんなに閉ざしても。
兄の肉棒はどんどん私を突き破っていく。

「もっとに、ございます!」

老人が気の触れた声を上げている。
兄の侵入は止まらない。
肉が肉を突き破って進んでいく。
不意に―。

「あっ―」

こつんと、肉棒が私の何かに触れた。
そこは終着点。
もうこれ以上先には進まな―。

「もっとです。もっとに腰を落とすのです」

「あっ、いや…、だめえ!」

剥がされていく。
めりめり、と。
私の何かが剥がされていく。

「あぎっ―、かはっ!」

痛み。
鋭く細長い痛み。
全身ががくがくと震えた。
ダメだ。
ダメだダメだダメだ。
こんなのはダメだ!

「ああ、媚娘…」

兄が満たされた笑顔を見せる。
血色の悪い顔にも赤みが差し、細い目が蕩けている。

「すごいよ。とてつもない快感だ…」

私は途方もない痛みに耐えるので精一杯だった。
血が出るほど拳を握り、歯を食いしばり。
遅い来る痛みの波にひたすら耐える。

「もっと力を抜きなされ。それでは隻様が動けませぬ」

「…っ!」

不意に耳のすぐ傍で感じる皺枯れた声。
老人の息が、耳にかかる。
ふつふつと全身に鳥肌が立つのを感じた。
おぞましい。
一刻も早く自分から離れて欲しい、のに―!


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