恋の予感-7
引っ込み思案な私とは正反対の、物怖じしない活発な性格で、クラスの女子の中でも1番に目立ってる!
入学してまもない頃、『一緒にサッカー部のマネージャーしようよ!』って誘われて、それからすぐに仲良くなった。
ちなみと2人で、サッカー部の練習に参加してると、授業以外でも先生と顔を合わせることが多かった。
先生は確かにカッコイイから、心のどこかで憧れの気持ちくらいはあったかもしれない…
だけど、年が10コも上で、しかも私の担任の先生だし―――それが恋愛感情だったのどうかは分からない…
だから、いきなり先生に、『スキだ!』って言われてキスされても…
正直…からかわれてるみたいで、ピン…とこなかった。
でも…私を見つめた時の先生の瞳が、一瞬怖いくらい真剣だった。
だから、先生の言ったこと…もしかしたら本当なのかも知れない―――って思い始めてた。
♯♯♯
―――その時だった。
『由里子――っ!!』
慌ただしく廊下を駈けてくるちなみの声が聞こえ、私は慌てて先生から離れた。
せっかちなちなみは、ハァハァと息を切らしたまま、
『由里子っ・・悪いん…だけどさ―――今日啓太と・・帰れることになったから…私、先行くよ!』
「分かった、いいよっ」
ちなみは同級生でもある、サッカー部の啓太とラブラブだからね…
最近はちっとも私にかまってくれない。
ちなみは足踏みを一度も止めないまま、せわしなく私に『じゃーね!』と手を振り、廊下を元来た道へと走っていった。