自転車-3
もうどうにでもなれと思いひたすら自転車をこいだ
そして凛が口を開いた
「そんなストレートに言われると困るんだけど…ていうかね、私も好きな人がいるって言ったのにそこまで言えるなんてすごいよ」
「俺は誤魔化したりするのが嫌だからな。まあ凛に好きな人がいるとわかってるのに告白する俺は迷惑だよなぁ」
苦笑を浮かべながら自転車に乗っていると凛がいきなりチョークスリーパーをかけてきた
「むぐぉ!?死ぬ死ぬ!!コケる!!」
チョークスリーパーをかけられながらも必死に走った
そしてチョークスリーパーがとけると今度は後ろから抱きつかれた
「あのさ、好きな人がいるのにそんなことしていいのか?」
その言葉に凛は少し不機嫌になったようだ
「あんたはどこまで鈍いのよ…」
「あぁ?。なんならその好きな人の家まで送ってやろうか?」
そしてまたチョークスリーパー
「死ぬ死ぬ!!」
必死に助けを求めると俺の首筋に冷たい水のようなものが当たった
「良なんかこのまま死んじゃえばいいのよ!!人の気持ちがわからない奴なんか好きになるんじゃなかった!!」
涙を流しながら喋る凛の言葉に俺はようやく感付いた
「わかったからチョークスリーパーはやめてくれ!!」
必死に助けを求めると凛は次第に落ち着き出し喋り始めた
「ずっと小さい頃から良のことしか見てなかったのよ…中学校に入ってからもずっと良をみてたの…でね、良に好きな人がいないか不安になって探りを入れたらこの様よ…」
探りあいの結果が告白とはどういうことか
いや、いまはそんなことどうでもいい
凛は俺のことが好きらしい
つうかこれが俗に言う両思いってやつか?
いや、まてまて
落ち着け俺
こんな都合がいい話あるわけないではないか
「ねぇ、話聞いてる?」
「うおっ!?はい!?」
凛の声に少しビビってしまった
情けない…
「だからね、その…つ、つ、付き合ってください…」
いまにも爆発するんじゃないかというぐらい凛の顔が真っ赤になった
その告白を聞いた俺も顔が真っ赤になり心拍数が3倍(当社比)にまであがってしまった