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自転車
【青春 恋愛小説】

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自転車-2

「わかったから暴力はやめてくれ…死ぬって」

「わかればよろしい!!では海に向かって走ってもらおうかな」

凛が自転車の荷台に乗ると俺は自転車をこぎ出した

凛の髪からはシャンプーの良い香りが漂ってくる

自転車に乗っている間に凛に探りをいれてみた

「なあ、お前は誰かと付き合いたいとか思ったことあんの?」

「え〜?なんでぇ」

「ん〜、凛なら彼氏ができてもおかしくないなと思ってさ」

「そうだねぇ。好きな人はいるんだけど…」

「好きならとっとと告白すればいいじゃんよ」

笑いながらそんなことを言ってると凛は煙草に火をつけた

「まあ、私の心の準備が出来てからでいいかなと思ってるから」

凛の吐き出す煙草の臭いが鼻をかすめる

凛に好きな人がいると聞いて少し胸が苦しくなった

俺も凛を一人の女性として意識しているのだから当たり前だ

ただ理性とかそんなもんじゃなくて心の奥底のほうでその現実を否定していた

「良は好きな人いるの?」

「当たり前だろぉ。俺は告白しようとしたらすぐ行動するね。まどろっこしいのは嫌いだから」

後ろを見ると凛の表情が少し暗かった気がした

「良らしいね…私もそんな風になれるといいんだけど…」

どうやら気のせいではないらしい

素で少し落ち込んでいるようだ

「まあ、俺は嘘が嫌いだからな」

そう、俺は嘘が嫌いだ。昔なにかあったわけじゃないが本能的に嫌なのだ。だから海に着いたら凛に告白しようと思っている。自分に嘘はつきたくないし後悔もしたくないから

「ねぇ…私のことどう思う?」

凛の突然の質問に俺の心拍数が急上昇した

(これは好機、千載一遇のチャンス!!神様ありがとう!!)

そんなことを考えていると凛はさらに話を続けた

「昔から一緒にいるけどさ、良から見たら私はどう見えるのかなって」

俺は意を決し話した

「すごい魅力的だと思うぞ。つうかあれだ…なんだ…その…俺は昔からお前のことが好きだったからな」

遂に言った。凛に好きな人がいるなんて知ったこっちゃない。ありったけの想いを込めぶっきらぼうだが告白した


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