テーブルの下-2
[ 西村さんっていうんだ…姫ちゃんだよね?
君は僕の事…知らないだろうけど僕は君をよく知ってるんだ ]
はぁ?何のこっちゃ?…
最初、私はそう思って彼を無視してランチを頼んだのでした。
ウエイターが持ってきた二つのグラスがシャクに触って仕方ない…
男の方はお昼を済ませてしまったのか、僕はいいと注文を断ってグラスの水を一口飲んでいました。
[ 用がないなら出て行ってください ]
昼食にまでついて来て注文もしない…
それでいて強引に同じ席に座る図々しさに私はちょっと腹が立って、少しキツい言葉で男を追い払おうとしました。
こんなダサい男に馴れ馴れしくされる云われはないのですから。
[ まぁ…そういうなよ
僕は幸運にも姫ちゃんに巡り会えたんだ ]
姫ちゃん?…
全く私は身に覚えもありません。
やはりこの男は何か勘違いをしているのだろう…
そう思った私ですが、少しの不安も私の中によぎったのです。
[ 僕は見つける事ができたんだね
姫ちゃん…でしょ? ]
男が差し出した携帯の画面を見て私はサッと自分が青ざめたのが分かりました。
画面の中には裸の少女がニッコリ笑っていて、これでも少しは気をつかっているのか男が隠した指の下にはおそらく女の秘部まで丸出しになっているのです。
それは私がまだ15歳だった頃…
私はいたずらに携帯サイトを巡って回り偶然見つけたのがユーザー運営のエロサイトでした。
最初は大人の…
それもいやらしいだけの世界をこっそり覗き見た気分でしたが、ある時から私は面白がって書き込みを行うようになったのです。
やがてはちやほやする彼らの願望通りの画像を自分で撮影しては投稿するようになったのでした。
ここは大人の…
しかも変態ばかりが集まっているサイトだから同級生や、ましてや聖職である先生に見つかるわけもない…
私はそう思って自分の画像を次々と投稿して、そのたびにちやほやする彼らにいい気分になっていました。
現に私が登場すると毎日その時間だけにアクセスが5百件を越えるのでした。