超最強嫉妬彼女 後編-5
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「花耶」
「……」
朝、いつものように花耶と河原で待ち合わせる。
まあ大抵は俺の方が先に来ていることが多い。
今日もそうだったのだが、花耶は俺の前を素通りしていった。
「待てよ、花耶」
花耶の細い腕を掴んだ。
いつも思うが、この細腕のどこからあんな力が出るのか不思議でならない。
「触らないで」
「……」
しかし花耶は俺の腕を振り払った。
「公也が変わってくれてるのはわかってる。でもね、何度も何度も際限なく女の子が出てくるじゃない。やっぱり公也が信じられないよ」
「……でも優子は」
「聞きたくない!」
「待てって!!」
「…頭冷やしてよ。なんなら手伝おうか?川までぶっ飛ばせるけど」
花耶はすっと脚を上げた。
「……」
まだ死にたくねえ。
「私は公也が大好き。嫌いになんてならない。でも安心させてよ」
「……」
そうだよな…
例え特別嫉妬深い花耶じゃなくても、俺は最悪に素行が悪いからこうなる。
昔は真面目に付き合っていた女もいた。
でも結局、女友達が多いせいで別れに至ったことなど数えきれないほどある。
そして俺は、真面目な恋愛などあほらしく思えて、やがて最低の男へと成り下がっていった。
だが、やっと花耶という女に出会って再び昔の姿に戻る決心がついたんだ。
花耶を抱きたいからじゃなく、花耶と一緒にいたいから。
だからまだ花耶にキスより先の関係を迫ったことなんてない。
今までは女と付き合っても抱きたくてしょうがなかったけどな。
それくらいの気持ちなんだ。
なのに…やっぱりうまくいかねえ。
優子のことを、話すべきなのか…