超最強嫉妬彼女 後編-15
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「花耶、悪いな」
「そんなのいいよ!」
いつものように二人して帰るものの、俺は早く歩けないのでかなりの時間を要する。
そのため、既に外は暗くなっていた。
やべえ。こんなんじゃいつ襲われても仕方がないぞ…
「…誰がやったんだろうね」
「…あ、ああ、そうだな」
「案外、公也に振られた女の子だったりして」
「じゃあ、これから治るたびにまた病院行きになるな」
「あはは」
「…花耶、お前も気を付けろよ」
「…大丈夫だよ!私は公也の百倍強いから!」
「……違いねえ」
何も言えなかった。
***
意外なことに、それから一週間経ったがトラブルは全く起きなかった。
ひょっとしたらあれは俺の勘違いで、ただの通り魔のようなものだったのかもしれない。
花耶は毎日、俺の部屋を通って優子の部屋に行く。
花耶も優子も楽しくやっているようだ。
その間、俺は部屋で時間を潰している。
まだ体の節々は痛むが、もう毎日問題なく生活をしている。
まあ、俺の思い違いであればそれでいいんだがな。
それでもひどく胸騒ぎがした。
しばらくして、花耶が戻ってくる。
「……今日は長かったな」
「…うん、ちょっと優子さんに相談してたんだ」
「お前でも人に相談するんだな」
「何でよっ!私だって女の子だもん!」
「あー…はいはい」
俺は欠伸しながらベッドの上で寝返りをうった。
こいつには女らしさが少なすぎる。
たまにそれらしきものを見せても、普段の生活はからっきしだ。
「悔しかったら弁当でも作ってこごふぉっ!!」
何を思ったのか、花耶は突然、俺の上に勢いよく飛び乗ってきた。
「お前…まだ痛いんだぞ…」
「……ふふん、いいの?そんなこと言って」
「あ…?」
すると花耶は、制服のリボンを解いた。
しゅる、と絹擦れの音がする。