超最強嫉妬彼女 後編-14
***
「公也、大丈夫…?」
「……ああ」
俺はよくわからないまま、複数の男に暴行された。
幸い骨折は無かったが、全身を強く殴打されて少し動くだけで体中が痛んだ。
特定できないものの、犯人の目的はわかっていた。
花耶が狙いだ。
あのときのやつらの会話。
彼氏という単語。
花耶のマンションの前で待ち伏せていたこと。
「公也、本当に入院しなくてよかったの?」
「ああ、大丈夫だ」
花耶が危ない。
まあ、いざとなると以前のように、俺は足手まといで花耶一人でも返り討ちにはできると思う。
でも一人は危険過ぎる。
花耶を一人にはしたくない。
とりあえず、このことは花耶に黙っておこう。
***
教室に入ると、花耶と付き合う前のように一瞬の沈黙。その後、喧騒に包まれる。
そりゃあそうだ。
突然、包帯巻いて松葉杖ついたクラスメイトが入ってくりゃあな。
ゆっくりとした足取りで席につく。
「……ふう」
一限目の準備をしながら、これからのことを考えてみた。
間違いなく、やつらは花耶を狙っている。
理由はわからないが、確実に危険だ。
勿論、花耶は簡単にはやられないだろうが、相手は複数な上に武器を持ってやがる。
よくわからなかったが、あれはたぶん金属バットだ。
花耶は得物を持った相手に勝てるのか…
もしやられれば、間違いなく花耶は…