投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜
【理想の恋愛 恋愛小説】

天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜の最初へ 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜 0 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜 2 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜の最後へ

天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜-1

 私:可原 綾乃(かはら あやの)が、彼:速水 敦(はやみ あつし)と最初に出会ったのは短大生の時だった。幼馴染である理恵の高校時代の友達だって・・・聞いた。彼は、いかにもモテそうな顔で女の子に囲まれてたっけ。

絶対軽そう。
絶対こんなタイプいや。

 そう思ってたのに・・・。今思えば、あの時点で本当は恋に落ちてた。私ってば、ホント面食いだ。でも、あの時は本当に本当にいやって思ってたんだと思う。いやって思ってたのに・・・恋に落ちた理由はひとつしかないんだ。
 だって、彼が見つめる先に私がいたから。どこにいても視線を感じたから。そんなの、いやでも意識する。

話したくない。

 合コンの最中、絶対に隣にならなかったのに。
 帰り道、急に呼び止められた。

「ねえ・・・」

 湿った空気が余計に胸を高鳴らせる。名前も呼ばれてないのに、自分が呼ばれたんだってなぜか思った。かなりの自意識過剰。(笑)振り向いたそこで、その日初めて彼と目が合った。私より頭一個分高い背、栗色の髪が無造作にセットされてて、月光に照らされる。整えられた眉の下には、女の子顔負けの大きな二重。鼻筋が通ってて、少し薄い唇が濡れてた。

きれい・・・って、なに私みとれてんのよっ?!相手は天下のプレイボーイ〈死語)よ?!

 一人頭の中で葛藤してる私。そんなことを悟られないよう、視線を彼の足元に落とした。

「ねえ、・・・あのさ。突然なんだけど・・・。」

 顔を背ける彼。微かに頬が赤く染まってるのは・・・お酒のせいだよね?それとも・・・。

「こんなこと、突然すぎて信じてもらえないと思うけど。結婚してください・・・」

・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・?。
 
「・・・ってやべぇ!間違った!!!っていや・・・間違ってないってゆうか、えっと、あのそれはそのうち・・・って、あれ?えっと、違うんです、えーと・・・。」

 心臓が、一瞬止まった。こんなことってありえる?今なんて言った?ありえないでしょ?もう・・・からかわれてる、絶対。

「あの、冗談やめてくれま・・・!」「冗談じゃないんだ!!」

 私が怒鳴るのを遮って、彼が大声で言った。そして、一呼吸おくと、

「一目惚れなんだ。こんなこと、信じてもらえないと思うし、俺も初めてで・・・でも、どうしても今日いわなきゃって。っていうか、酒の力借りねぇとこんなこと面と向かって言えないから。お願い、信じて?」

 あの時の彼の顔は、まるで捨てられそうな子犬みたいに見えた。嘘みたいな告白。普通なら、軽くあしらう私なのに。この時だけは、身動きが取れなくて・・・気づいたら、彼の手を握っていたんだよね。あれから・・・


天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜の最初へ 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜 0 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜 2 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前